オーストラリア生まれで、ニューヨークで活躍しているニッキ・パロットは、ブロンド・ヘアーのジャズ・ベーシストです。今作では、ヴォーカルの比重がどんどん増してきており、スタンド・マイクで弾き語りをしながら、達者な歌唱を披露していました。
冒頭のお馴染みの「April In Paris」も少しけだるさを残しながらしっとりと歌っていました。
「Cherry Pink And Apple Blossam White」は、ペレス・プラード楽団が半世紀以上前に「チェリー・ピンク・マンボ」のタイトルで大ヒットさせた曲で、愛らしく優しい歌唱を聴くことができます。
一番のお気に入りは、4曲目の「It Might As Well Be Spring(春の如く)」でした。伴奏の軽やかなベースの伴奏にのせて、小気味良いヴォーカルが始まります。爽やかさと軽快さがに包まれた演奏でした。サックスの演奏も雰囲気を盛り上げていました。
「さくらさくら」はこれぞ外国人が感じている『日本』の雰囲気を前奏から醸し出していました。うぐいすの鳴き声が入っているのは御愛嬌です。日本語も違和感なく伝わってきました。
ビル・エヴァンスの耽美的な演奏が耳に残っている13曲目の「You Must Believe In Spring」のしっとりとした歌唱は大変気に入りました。けだるさを感じさせながら大人のジャズ・ヴォーカルを披露しています。
CDの帯に書かれているように「春にちなんだ美しい曲、楽しいスタンダード曲を集めてニッキの素敵な歌と豪華絢爛な演奏が春の花見の今宵ムード一杯に盛り上げるジャズ・ヴォーカル・アルバム!」でした。
メンバーも皆達者で、ニッキ・パロット (vocal,bass)、ジョン・ディ・マルティーノ (piano)、ティム・ホナー (drums)、ポール・マイヤーズ (guitar)、ドミニク・ファリナッチ (trumpet)、マーティン・ウィンド (cello)、リサ・パロット (soprano saxophones,bariton saxphones)という人気奏者によるものです。2011年11月25,26,28日、ニューヨークで録音されたものでした。