この本は、ガツガツとお金を稼ぎたい人のための本ではない。何とかして生活の糧を得て自立しなければいけない、そういう目的意識の本だ。そもそも原題は『Learning a Living』で、稼ぐだのお金だのの文字はどこにもない。むしろ、「生計」を意味する Living という単語がタイトルになっている。
この本は、LD・ADHDに限らず、今までに何らかの劣等感を植え付けられた人、挫折して立ち直れない人向けの本である。
つまり、普通に就職活動をして普通に内定を取れる人にはあまり必要ない本だ。その前の段階で、自分は何をやってもダメなんだと思い込んでしまっている人、あるいは、いちど社会に出て挫折した人にぜひ読んでほしい。
一般的な自己分析の本では軽視されがちな「こんな些細な成果なんて、と思うな」「自分の欠点を認識した上で、克服すべきか、回避すべきか検討しよう」といったアドバイスは重要である。普通の自己分析の本のワークでは、すぐ売り込めそうなスキルでないと見落としてしまうからだ。
訳者が後書きで書いている通り、10代の時に読んでおけばよかった、と間違いなく言える本。