本書は20世紀を代表する天才物理学者の自伝ではない。R.P.ファインマンという人生を楽しむ天才から我々への贈りものである。
「ファインマンと聞いたとたんに思い出してもらいたいのは、ノーベル賞をもらったことでもなければ、理論物理学者であったことでもなく、ボンゴドラムでもマンハッタン計画でもない。僕が好奇心でいっぱいの人間であったということ、それだけだ」といつも言っていた(下巻訳者あとがきより)。
「なぜだろう?」といつも好奇心いっぱいの子どものように世界を見て、いったん好奇心をひかれたらそれに夢中になり納得のいくまで追求する。彼は一切の虚飾と権威を嫌い、相手がそれをかさに着ているとみるや容赦しなかった。それは、そのような態度が、楽しいはずの真実の探求を邪魔する厄介なものだったからである。
上巻では、彼の少年時代、物理学者としての修行時代、また駆け出しの物理学者として携わったマンハッタン計画から終戦を迎えるころまでのエピソードが収録されている。どの時代においても彼はその状況を最大限楽しみ、そして、決して流儀を変えなかった。
自分が理系か文系かなんて関係ない。もし少しでも本書に「好奇心」を持ったなら、ぜひ一読をおすすめする。(別役 匝)
登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
89 人中、84人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
素晴らしい!!,
By noa-dr (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫) (文庫)
ファインマンは、くりこみ理論で朝永振一郎と一緒にノーベル物理学賞をとった物理学者。でも、その話はぜんぜん出てこない。出てくるのは、ちょっとしたことへの着眼と興味、筋道だったアプローチ。それは物理にとどまらず、女の子だったり、絵画だったり、音楽だったりする。 わたしが、「努力」とよんで歯を食いしばってやることを、難しい面倒だといってあきらめてしまうことを、この人は眼をきらきらさせて、おもしろい!といって、わらいながらやってのける。 きっと、人生というのは、何も考えずに楽しく過ごすものではなく、広く深く考えれば考えるほど楽しいものなんだ。
46 人中、43人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
やりたいこと、好きなことを徹底的にやる!,
By
レビュー対象商品: ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫) (文庫)
いくつになっても好奇心でいっぱい!ファンキーな物理学者ファインマンさん! 「やりたいこと、好きなことを徹底的にやる」 っていう姿勢を生涯貫いているのがかっこいい! ・物事は暗記ではなく、理解することによって学ぶ。 ・人がどう思おうと、ちっとも構わない。 ・驚異の心をもたない人間は、消えたろうそくも同然だ。 ・とにかく何かにアッと驚き、なぜだろう?と考える心を失わないこと。 そして、いいかげんな答えでは満足せず、納得がいくまで追求する。 わからなければわからないと、正直に認めること。 下巻+「困ります、ファインマンさん」まで 一気に読めます!!
79 人中、71人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読まないと損をする自伝の傑作,
By カスタマー
レビュー対象商品: ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫) (文庫)
自らを語って一片の自惚れも自虐もなくこれほど澄明なユーモアに満ちた文章も珍しいのではないか。時にこのユーモアは抱腹絶倒の笑いに発展し、例えば徴兵検査で精神科医の検診を受けたさいの面白さはさながらウッディアレンの喜劇である。自分のことをまるで他人事のように語る筆遣いは欧米人によくあるスタイルの一つだけれども、この本のそれはちょっと一味違うように感じられる。それは自分自身の今に至る軌跡を面白おかしく描きながらも微動だにせぬ目で観察する科学者の視線といったものだろうか。沸騰する笑いと冷厳な観察眼その微妙なバランスがこの本の魅力を生み出しているのかもしれない。決して短くはない内容だが読み始めて気が付けばいつのまにか終章に至っており、そして読後感は実に爽やか!である。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー
5つ星のうち 5.0
科学者の良心
ファインマンさんは女の子大好き。 ファインマンさんは太鼓をたたけばプロ。 ファインマンさんは絵を描いても天才。... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: すなめり
|
|
|
|