ただたんに旨いだけではない。
ほろ苦かったり、塩っぱかったり、
まさに小鉢の珍味のような、珠玉の人間の模様たち。
皿を舐めるように一字一句噛み締め、転がし、堪能し、
舌鼓や膝を打つように、涙腺緩ませ、読み進む。
生きることや死ぬこと、愛することや別れること、
それらと「飲み、食べること」は、きちんと同じお品書きにある。
人間が描かれている。食べ物話なのに泣ける。
現実は、誰しも辛い。だから、ごくらくな時が必要だ。
人と、食べることが好きならば、読んだらいいと思います。
もしくは、そうでない人や、そうでないときには。
酒が飲めなくても、ちんみ苦手でも大丈夫。
だって僕は、ここにでてくるちんみの1割も食べたことが、無い。
だから、食べたいと思った。好きな人たちと、今回の人生のうちに。
それを希望とか未来と言うんじゃないかなとか思った。ささやかに。