アラフォーならずアラヒフの仲良し三人女性の日常を描いたほんわかした物語。
三人とも独身。それぞれ自分の仕事をこなし、貯金もそこそこ持っている。しかも、三人のうち、メイクアップアーチストのミユキとイラストレーターのマキコはマンションで同居。その隣に物書きのヒロコが越してきて、お互い行き来したり、おしゃべりを楽しんだりしている。
この三人がどのようにして出会ったのか、それについては意図してなのか、あえて説明がない。だが更年期障害、親の死や入院等、身体の不調や老いを抱え、心揺れながらも三人で励ましあい、助け合って生きていく姿に、読み手は自分自身の日常を照らし合わせずにはいられなくなるだろう。
また、後半部分からの野良猫・むくちゃんの登場によって、この物語の時間の経過をリアルにさせている。よその猫と喧嘩したむくちゃんの怪我、怪我の治り具合、それによる食欲の変化、などなど。ワンパターンだった三人の生活の拠り所となったむくちゃんの存在は大きい。
群ようこさんの物語には、クライマックスと呼べるほどの盛り上がりがなく、緩やかな流れ。ゆえに、スカッとするということはあまりないが、ほんわかとした気分にさせてくれるし、何よりも登場人物達が読み手と等身大であることで、共感してしまうこともしばしば。仮に自分に当てはまらなくても、「こんな人、知ってる」という気持ちにさせられる。そこがいい。
ラストの5行は、いかにも群さんらしい文章の締めくくり。「なんだかんだ言っても、私たちって、健気に生きてるよネ!」という希望を与えてくれる。