民事執行法が改正された(平成16年11月改正、平成17年4月施行)。従来と大きく変わるのは、最低売却価額が廃止され、売却基準価額ができたこと。また、執行官が買受希望者を競売不動産に立ち入らせる「内覧制度」が始まったことなどがあげられる。さらに、ネットから、競売情報を簡単に検索・閲覧できるようにもなった。
これらの改正で、不動産競売が大きく変わる可能性がある。競売が多くの人に認知され、関心をもたれることは間違いない。また、不良債権を抱える金融機関にとっても、競売の円滑化や透明性が高まることは、債権回収を促進させることだろう。これまで、いわゆる占有屋による執行妨害が問題視されていたが、内覧制度などによって、執行妨害ができなくなる。
金融・不動産関係者だけでなく、一般の入札希望者にとっても、今回の法改正は朗報であるといえる。今年は「不動産競売」が注目を集めるはずだ。
登録情報
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著者は、大手不動産業者に勤務後、司法試験に合格し弁護士登録した経歴を持つため、不動産競売という分かりにくいシステムについて、豊富な図表等を駆使し、平易に説明を加えている。また、本書においては、いわば「不動産のプロ」である著者のキャリアをいかし、単に競売制度の解説にとどまらず、不動産登記法の改正や、民法の改正、更には、破産法改正に伴う担保権消滅請求制度など、不動産競売と密接に関連する法制度についても目配せが行き届いている。
本書は、これから入札を希望する人や、金融機関の担当者、法改正により新たに影響を受けることが必至である賃貸借関係者等にとって必読のアイテムとなるであろうことは多言を要しない。加えて、本書の解説においては、条文上の根拠や判例(出典の明示付き)も注記されているので、競売制度について勉強したいと考える意欲ある法学部学生や法科大学院生にとっても、格好の入門書となるであろう。
惜しまれるのは、判例索引があるのに、用語の索引や条文索引がない点であるが、今後の改定に期待したい。
ともあれ、急激な法改正や新立法の嵐の中で、大改正された不動産競売制度について、最新の情報をわかりやすくコンパクトにまとめた本書は
関係者のみならず、広く一般の読者にとって、格好の道案内になるものである。
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