名前は前から知っていたし、本も気になっていた著者の、
僕にとって初めての読書でした。
SFはそんなに読み込んでないけど、読みなれてないわけでもなく、
物理や数理は不案内でも小説として楽しむにはマストではないはず
とおもって買いました。
基本的にはすっごく頭のよい小説で、書いてあることを理解するのにも
それなりの苦労がいる感じの、嫌いじゃないタイプですが、
文章の自動生成を発明した叔父とのやり取りをめぐる「これはペンです」
はちょっと面白味がわからなかった(不明を恥じるべきなのかどうか
わかりませんが。)
でも、二つ目の「良い夜を持っている」は写真記憶をする父を描いて、
文章もやわらかくはないけれど、よくとがったシャーペンみたいな、
気持ち良さがあって大好きでした。
中身的にもこっちのほうが温かみがあって、テーマや筋がわかりやすい感じ。
読み終わってみると、どっちもどうしてかわからないけど、程よい距離感の
肉親の情みたいなものが残響的に残ってすごくいいんですけど、
表題作がもうちょっと読み物として面白いとよかったな、と思って
★4つです。