ひとり女性の自助グループを主宰する著者による本です。グループを立ち上げて活動している努力は評価しますが、この本には何点かひっかかるところがあります。
まず、ひとり女性へのアンケート調査の解釈が偏っているのではないかということです。兄弟との付き合いが良好な人とそうでもない人との割合はほぼ半々なのですが、険悪な面だけを強調している傾向があります。また、友人を家に「よく招く12%」「あまり招かない62%」「まったく招かない26%」の数値を見て、ひとり女性は非社交的だと結論付けています。多数を占める「あまり招かない」の選択肢をとった人たちは、「時々招く」という選択肢があればそれを選ぶことが予想されます。するとひとり女性は社交的だという結論にひっくり返ってしまうわけで、なんとも不安定だと思います。アンケートに既婚者女性との比較がないのも気になります。
お金がなくても良好な人間関係さえあれば何とかなる、という考えにも疑問があります。確かに教え子の親達に面倒を見てもらった塾講師の幸せな例もあります。しかし、良好な人間関係があっても任意後見人が重責で疲れ果てた例も載っているので、人間関係が万能とはいえません。
著者は、今を犠牲にして老後だけのためにお金を貯めこんでいる人を多く見ているので苦言を呈したくなったのでしょう。でも、よほどの人格者でない限り、介護を受けるお金もある程度は必要になるのではないかと思います。
ひとり女性が老後のために必要な費用が正しく計算できれば、無理して貯めたり不合理に使ったりする例も減ってくるでしょう。今後の本に期待したいです。