この本のタイトル、「これでもう苦しまない」は、単なる言葉の遊びではありません。これは究極的な解脱への誘いなのだと思います。したがって、この本はまさに文字通り、苦しみから完全に離れることについて書かれたものだと思いました。苦しみから離れる実践の在り方を、仏典に沿って、丁寧にわかりやすく解説してくれています。解脱への道は、仏教の教えのすべてですから、この本でそのすべてがわかるわけでもないし、その必要もないのだと思います。あくまでも導入の位置づけなのでしょうが、この本を読んでいると、仏道というものが、それほど手に負えないほどのものではなく、身近に思えてくるところがすばらしい点です。同じ目的で書かれた仏教の入門書はたくさんあると思いますが、この本ほど正確でかつシャープに書かれたものは他にないだろうと思います。