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これでおしまい―我が老後
 
 

これでおしまい―我が老後 [単行本]

佐藤 愛子
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

いよいよ「けったい」なこの時代、納得も悟りもしない佐藤愛子が最後のケリをつけます。好評シリーズ「我が老後」20年目の最新刊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐藤 愛子
大正12年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年「戦いすんで日が暮れて」で第六十一回直木賞を受賞。以後、独特の可笑しみと切なさが伝わる作品で、多くの読者を魅了する。昭和54年「幸福の絵」で第十八回女流文学賞を受賞。佐藤家の荒ぶる魂を描いた『血脈』の完成により、平成12年に第四十八回菊池寛賞を受ける。平成21年に刊行した作品集『院長の恋』がロングセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 289ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/11)
  • ISBN-10: 4163746102
  • ISBN-13: 978-4163746104
  • 発売日: 2011/11
  • 商品の寸法: 17.6 x 12.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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何十年にも渡り、佐藤さんの著作に励まされてきました。私の人生最大の恩人です。

今作執筆時は86歳(!)の佐藤さん。さすがに筆の冴えに衰えを少し感じます。老人特有の話題がふらふらと飛ぶ事になぞらえ、筆を進めておられます。各編のタイトルは「とりとめもなく○○○」となっていますから、意図されているのでしょうが・・

1編の長さが長めという事もあるのでしょうが、以前のように奇跡のような文章でトントントンと話が進み、見事な締めでうならせられる、というエッセイとは私には思えませんでした。基本的に理解できないという諦念、怒ってもしようがない、世の流れには逆らえないという感情が底辺を流れているからか、佐藤節が表れても、全体として静かな印象です。

また、過去の思い出をベースに話が展開する形ゆえ、以前に何度も書かれたエピソードが多数登場するので、佐藤さんの著作を多く読んでおられる方は「ああ、またその話か」と、お年寄りの昔話を聞いている感覚におそわれると思います。それでも、佐藤さんの作品は素晴らしい。もっともっと・・・とファンは思ってしまいます。

「そろそろ潮時だ。もう友を面白がらせたり怖がらせたりする力もなくなってきた。体力だけでなく気の弱りが出てきている。気の弱りの出た佐藤愛子なんぞ、何の値打ちもないのである。六十七歳から丁度二十年。キリもいい。このあたりで罷り散ります。皆さんさようなら。粛々と、これでおしまい。」これが最後の言葉です。私はこの文章を読んで泣いてしまいました。何十年も私達を楽しませてくださった佐藤さん。これ以上求めてはいけないんだなあ、本当にありがとう、愛しています!と、感謝の気持ちでいっぱいになりました。佐藤愛子ファンは必携だと思います。
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By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
佐藤愛子節、快調です。

近年では一番のできのいいエッセイと思いました。
正直に行って、
「これでおしまい」とは思えません。

本作は傑作エッセイがいくつか収めらています。

タイガーウッズを枕に始まる性に関する今昔批評。
ご近所、友人知人のぼけの品定めの話。
北杜夫の老いさらばえた近況(当時)。

どれも佐藤愛子先生にしか書けません。
佐藤愛子ならではの、
社会風刺、ユーモア、毒舌が冴え渡っています。
この方の作家としての「現役感」には敬服します。

これからも作品を発表し続けていただきたいと願います。
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By ひなぎく トップ1000レビュアー
 と、思ったら、タイトルはゲーテの有名な言葉「もっと光を!」に対してで、亡くなるまぎわの言葉としては未練があるようで、佐藤愛子さんは「これでおしまい」が自分にふさわしいとの事でした。

 テーマごとにわかれているエッセイで、それぞれのタイトルに「とりとめもなく」という言葉がついています。「ノゾキの話」、「髭の話」、「嘘について」、「笑い虫の話」、「理解について」、「チョッピリの話」、「タイガーウッズについて」、「キモチの話」、「知的人間の話」、「今年の春の話」、「おかしみについて」、「ボケの話」、「けったいな話」、「よき時代について」、「暑い話」あとがきの粛々と終るという内容です。

 佐藤さんにとって文学の師であった北原武夫氏と葬儀に、友人の故・川上宗薫さんのまるで小学生みたいなピカピカの靴がおかしくて必死になって笑いをこらえた話や、タイガー・ウッズの愛人騒動の時には、最近の不倫して暴露する女達は、まるでディズーニーランドに行った子供のように、ペラペラとよく喋るには笑わせてもらいました。また、高齢者の熱中症で亡くなる理由として戦争経験からの我慢強さでクーラーをつけないので亡くなるのが原因ではないのかという考察も佐藤さんしか書けない文章だと思いました。また誤用されている「粛々」についても書かれています。そして何でも大げさに言う知人がいてその人より先に死にたくないとも書かれていました。

 仲の良かった作家仲間達が亡くなっていくなかで、つい先日北さんまでとは、佐藤さんの胸中を思うと淋しいだろうなと思いました。86歳という高齢の佐藤さんに、まだまだ書いてほしいと思うのは酷のような気がして、もうゆっくりとなさってくださいと思ってしまいました。高校生の頃「nonーno」に連載されていた「娘と私の部屋」からの愛読者としては、まだまだ読みたいのですが…。
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