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これが見納め―― 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景
 
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これが見納め―― 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景 [単行本]

ダグラス・アダムス , マーク・カーワディン , リチャード・ドーキンス(序文) , 安原 和見
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,150 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

『銀河ヒッチハイク・ガイド』のダグラス・アダムスが
世界中の絶滅危惧種を見に行くという少々不謹慎な(!)旅に出た。
そこで目にしたのは……。

1990年の刊行以来、愛読者の絶えない不朽のネイチャー・ルポ。待望の初邦訳である。

種の存亡の瀬戸際にある生きものたちをとりまく荒涼たる現実、
人間の浅はかさが生む悲喜劇や、動物たちそれぞれの興味深い生態が、
小気味よいウィットと諧謔味満載で語られる。
いたるところに皮肉のきいたドタバタ劇の奥には、
ヨウスコウカワイルカの苦境をとことん思い描いて震えあがり、
観光資源化したコモドオオオトカゲを目の当たりにして恥じ入ってしまう著者の、
欺瞞のない鋭敏な眼差しがある。その観察眼は、
天安門事件前の中国社会やザイール行政の腐敗へも向けられている。

「まれか、ややまれか」の章で、
モーリシャスの生物保護活動家たちの超人的な奮闘ぶりと、
彼らの奇矯だが筋金入りの生活をユーモラスに写し取る手腕は
アダムスの真骨頂。絶滅危惧種の保護活動は第一日目から絶望的なチャレンジだが、
消えゆく生きものを守りたいという衝動を理屈を超えて引き受ける人々を、
本書はからりと、しかも生き生きと描き出している。

深刻なテーマだからこそ笑いの力を感じさせる、
愛すべき、愛すべき一冊。

序文:リチャード・ドーキンス

内容(「BOOK」データベースより)

絶滅危惧種をとりまく状況は最初から、身もふたもなく絶望的。D・アダムスの名作ノンフィクション。序文はリチャード・ドーキンス。

登録情報

  • 単行本: 360ページ
  • 出版社: みすず書房 (2011/7/23)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622076160
  • ISBN-13: 978-4622076162
  • 発売日: 2011/7/23
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
銀河ヒッチハイクガイドのアーサーはマヌケに見えるがそうではない。
彼は目の前の小さな技術成果の後ろにある大きな文明に圧倒されるから
始終アワアワとしているのだそうだ。

絶滅危惧種を見に行ったダグラスさんの驚き方は。まさにそうだ。
環境破壊とか種の絶滅に対して、感情的にすぐ思いつくような表現ではない、
もっと根深い問題をごく自然に感じてしまっている驚き方、その知性に
むしろ驚いてしまう。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
太古の魂 2011/7/29
By naichi トップ500レビュアー
言うまでもなく、絶滅は遥かな昔から起こっていることである。かつて地球上で栄華を誇った恐竜たちは今や見る影もないし、ネアンデルタール人とて同様である。人類が登場するずっと前から、動植物は現れては消えてきたのだ。しかし、問題なのは、その絶滅のスピードにある。先史時代以降に起こった絶滅の過半数は、この三百年に起こっているという。そしてこの三百年に起こった絶滅の過半数は、この五十年間に。そしてこの五十年間に起こった絶滅の過半数は、この十年間に起こっているのだ。

本書は、世界一珍しくて、世界一絶滅の危機に瀕している動物たちを、足掛け一年近くかけて地球の果てまで見に行ったネイチャー・ルポである。著者は、『銀河ヒッチハイク』などでおなじみのSF作家ダグラス・アダムス。彼は、動物学のどの字も知らない素人として、なにが起きてもいちいち度肝をぬかされるというミッションを背負わされて、生物学者のマーク・カーワディンとともに旅に出た。そのリアクション芸人ぶりと卓越した観察眼は見事なまでに両立しており、その面白さは序文でリチャード・ドーキンスが太鼓判を押しているほどだ。

絶滅の危機に瀕した動物の生き残りを保証する道は観光であるというのが、定説となりつつあるそうだ。慎重に管理・監視するためにというのが、その名目だ。しかし、その敵は自然の摂理ではない。動物たちが生息する森を破壊する者たちや、密漁者たち、つまり人間こそが彼らの敵となっているのである。人間が捕食者でもあり、保護者でもあるとは、なんという皮肉な光景であろうか。

もちろん、観光というのはベストな選択肢ではない。観光客のために、慣らしという行為が必要なるのだ。野生の群れに接触し、何カ月も、ときには何年も、毎日群れのところへ出かけて行って、人間がそばにいても気にしないように訓練をする。このようにして動物園のような環境におかれてしまった動物は、もはや野生の動物とはかけ離れたものになってしまうのだ。

しかし、本書で描かれている動物たちは、絶滅の危機に瀕しながらも野生の状態そのものである。そしてその白眉は、著者と動物との出会いの瞬間に凝縮される。

◆絶滅の危機に瀕している動物たちとの出会いの瞬間の描写
・アイアイ(マダガスカル島)
頭上数フィートの枝を伝って、ゆっくり移動しながら、降りしきる雨をすかしてこちらを見おろしていた。いったいこれはなんだろうと言いたげな、いわば静かな当惑の表情を浮かべて。

・コモドオオトカゲ(インドネシア・コモド島)
オオトカゲは、片方の目で関心なさげにわたしたちを眺めていた。こちらを向いているその目は、丸くて濃い茶色をしていた。こちらを見ている目を見ていると、なぜかひどく不安をかきたてられるものだ。こちらを見ている目がこちらの目とほとんど同じ大きさで、そのこちらを見ている目の持主がトカゲだったらなおさらだ。

・マウンテンゴリラ(ザイール)
山野でこんな生きものに初めて出くわしたときは、頭の中が高速で空転してまるで動けなくなってしまう。たしかに、こんな生きものはほかにいない。強烈な、めまいにも似たさまざまな感情が頭にのぼってくる。

・カカポ(ニュージーランド)
まるで聖母子像だった。その鳥は声も立てず、身じろぎもしなかった。こわがっているようには見えなかったが、それを言うなら周囲でなにが起きているのか、どくに気づいているようにも見えなかった。大きくて黒い表情のない目は、どこかあらぬ方をじっと見ているようだった。

なんとも神々しい描写である。ここに到達するまでのコメディタッチの珍道中とは、見事なまでのコントラストを織りなしている。そして、この瞬間にこそ、動物たちを絶滅させてはならない最大の理由が潜んでいるように思えるのだ。

野生の動物と見つめ合うことにより、日頃は理性で隠されている太古の魂のようなものを呼び起こされ、めまいにも似た感情を覚えたという。それは、三億五千万年前に共通の祖先をもっていたもの同士にしかわからない、本能的なものなのである。野生の環境でそれを呼び起こされた時に著者が感じたのは、長い間の経験を経て、人類が培ってきた進化は、本当に進化だったのだろうかということである。彼らが言語を獲得していないのではなくて、人類が、それを失っているのではないだろうかと。

人類は唯一の善悪を判断できる生物などではなく、あくまでも自然界における相対的なもの。それを教えてくれるのは、残り数少ない絶滅危惧に瀕した生きものたちなのである。だから著者の描く人間模様は、皮肉に満ち満ちた痛快なものとなる。

これだけ魅力的な内容が詰まっていれば、本書が絶滅の危機に瀕する可能性は当分なさそうで、ひと安心だ。なにせ三億五千万年後の生物にも、読ませたいくらいの名著なのである。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By alfonzo
代表作「銀河ヒッチハイクガイド」において、最初の十数ページで地球上の(ほぼ)すべての生物を絶滅させたダグラス・アダムスが、現実の世界で、絶滅の危機に瀕した動物たちを見て回る。

そういう動物は大体辺境にいるので、彼の旅には困難がつきまとう。
そのトラブルを、同行の生物学者マーク・カーディワンの奮闘を、動物の置かれた厳しい状況を、そして出会った動物の表情を、アダムスは彼独特のユーモアたっぷりの文体で、余すところなく描き上げる。
序文でドーキンスが書いた通り、「一度も吹き出さずに読めるページは、1ページもない」。
それと同時に、これまでの、そしてこれからの人間と自然の関係について、考えずに読めるページもないのだ。

本書は、イギリスでは1990年に初版が刊行されたので、この翻訳版が出るまでには21年の歳月が流れている。
その間に、本書に取り上げられた動物の環境も、世界情勢も変わり、何よりアダムスはあの世の住人となってしまった。
もっと早く、これを読みたかった。
「かつて世界にあったありとあらゆる知識と知恵」の断片である生物たちが急速に失われつつあることを、そしてその意味を、多くの人に理解してほしいと願う。
本書はそのための絶好の「ガイド」である。
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