読む手が、止まらず、一気に1日で読んだ。
こんなのは、何年ぶりだった。
内容はあえて単語でいうなら、”不倫”の話。
自分も含め、ほとんどの人にとって、きっと良くないイメージしかない
ひとつの事実を、様々な登場人物を通して、平等に多角度から見るその手法にやられた。
ひとつの事実を、違う人間の視点から見ると、まったく違って見えることが「新しい発見」だった。
事実をただ単語にすれば、不倫になる。
でも、辞書の中にある短い言葉には決してならない気持ちがココに詰まってる。
例えるなら、少年ジャンプやマガジンの様なコミックの悪役だって
奥さんがいて子供がいるなら、そこに人生がある。
ヒーロー側の人生は沢山描いて、悪役側は少し描かれて倒されるだけ。
じゃあ、両方の人生を平等に描いたら、読者はどっちを応援するのか。
きっとわかりにくい。
その時、どちらがヒーローで、悪役なのか。あるいはどちらでもないのか。
それは読者が感じること。それがココにある。
そして、「もう人の悪口は嫌だから、小説を書いた」というあとがきを見て、
さらにやられた。
その狙いに共感したと同時に、
狙いと手法が素晴らしく論理的(make sense)なことに。
あと、ある登場人物の器がおそろしく大きいのにも驚かされた。
「どうやったら、こんな器の大きい言葉がこんなに的確に言えるんだ書けるんだ」と。
おそらく、彼女はそのような大きな人物か小説なりに出会っているからこそ
書けるのだろう。いや、むしろ、彼女がその大きな器なのかもしれない。
「”ゴーストライター雇って下さい”と聞いたら、”ダメです”と言われたので書きました」
作者のブログの様に赤裸々なのに、どこかあたたかいあとがきにも、クスリとやられた。
作者の狙い「もう人の悪口は嫌だから、小説を書いた」に
少しでも共感するなら、
こぼれるを読んでみる価値は間違いなくあるだろう。
<ブログで試し読み!?>
彼女が
こぼれるじゃなくて、
実はもうひとつ本のタイトルにしようと考えていた文章を読めば、
その文才の片鱗は間違いなく伝わる。
心がおぼつかない夜に|酒井若菜オフィシャルブログ「ネオン堂」Powered by Ameba
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傘と長靴たずさえて|酒井若菜オフィシャルブログ「ネオン堂」Powered by Ameba
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P.S
「傘と長靴たずさえて」に救われ、
大切な気持ちを思い出され、「こぼれる」のレビューを書かずにいられなくなった。
酒井若菜さん、本当にありがとう。