新聞だけでは、経済ニュースがなかなか読めない。なぜならば、最新情報を断片的に掲載しているので、時系列になっていないからである。
そこで、ツボを押さえるため、本書のような解説本が必要となる。たとえば“TPP問題”を、本書は次のように読み解いている。TPP参加国(検討国含む)は13か国ある。これらをGDPベースでみると、米国67%、日本24%となり、2か国合計で91%となる。これだけの影響があるなら、日本は米国と2か国調整できるFTAを選択してもよかった。なのに、多国間調整となるTPPに、日本は参加することになった。
ここに米国の戦略がある、と本書は考えている。日米の2か国間調整では、農作物の関税が、容易に自由化の対象外となる可能性がある。だが多国間調整となると、一国のための例外規定は主張しにくいので、農産物を含め関税引き下げとなる可能性が生まれてくる。
過去の経緯やウラから、経済は読み解く。本書は解説本の一つとして面白い。