沖縄の米軍、沖縄の海兵隊の役割などが分かりやすく説明され、また普天間基地の移転問題についても、SACOから日米合意まで簡潔に紹介され、また嘉手納統合案がどうしてだめなのかなどが簡潔に論じてあります。・・・・・・・そして、小川氏の立場は、1) 日米安保は日本の安全保障に不可欠、2) 沖縄の海兵隊は中国に対して重要な抑止力になっている、3) 普天間は現在の危険を速やかに除去した上で、キャンプシュワブ陸上に移転すべき、というものです。・・・・・全体として、なかなかよくできた本です。普天間問題の入門書としては悪くはありません。・・・・しかし、1990年代からの普天間交渉の経緯を少し知れば、小川氏が不誠実な人に思えるでしょう。・・・・・キャンプシュワブ陸上案というのは90年代からすでに検討されたことがある案であり、1) 現在、実弾演習場なので、そこに飛行場を作れば、実弾演習場の県内移転が問題となる、2) 名護市受け入れ容認の岸本市長、島袋市長も、陸上案は断固として拒否していた、という事情で、採用されなかったのです。この本では、そうした事情は全く説明されません。・・・・・さらに、交渉過程を歪めたという評価もあり、また収賄で逮捕された守屋氏を弁護するなどとなれば、不誠実さはかなりのものとも思えてしまいます。