ベルリン映画祭ほか多くの映画賞を受賞した感動の映画脚本ストーリーです。。ロシアを舞台に実話を元に作られた物語で、わずか6歳の少年が大人顔負けの勇気と頑張りを貫き通して真実の幸せを手にするハートウォーミングな感動作です。
ロシアのある孤児院では、たくさんの子供たちが結束して逞しく暮らしていた。盗みや万引で稼ぐ少年・娼婦になって稼ぐ少女・リーダーとして全員をまとめ全体の資金を管理する最年長の少年・みんなの母親役を務める優しい少女らがいて、厳しい境遇に負けずに暮らす毎日だった。時折、外国から養子を求めて夫婦がやって来て、子供を家に引き取って行く。実は孤児院を管理する大人、院長とマダムと呼ばれる女がインターネットで子供の写真をばら撒き、養子希望を募り手数料をせしめる言わば人身売買のような違法なビジネスを、していたのだった。それでも選ばれた子供は幸福を約束されたような物で、今月は6歳のワーニャが幸運を射止め、イタリア人夫婦が訪ねて来る。ワーニャは夫婦に気に入られ、お土産ももらって喜びに包まれる。夫婦は一旦帰って一月後に引き取りに来る約束を交わす。ある日孤児院に、少し前に養子にもらわれていった子供の実の母親が現れて、わが子の消息を尋ねる。院長は、全く相手にせず邪険に追い返し、母親は失意の内に帰って行く。数日後、絶望した母親は泥酔した挙句に電車に飛び込み自殺をしてしまう。その事件を知ったワーニャは、養子に行くよりも何処かにいる筈の本当の母を探そうと決意するのだが・・・・。
少年の決意を翻させようとする年長のリーダーや利益を優先しようとする悪い大人達に妨害されても、ワーニャは怯まず自分の意志を貫いて母へ続く道を模索して行きます。世間は悪い奴ばかりでなく、娼婦のイルカや最初に入れられた孤児院の院長らが、ワーニャの純粋で必死な心情に共鳴して助けを差し伸べてくれます。少年には運も味方しますが、それでも過酷な運命に懸命に逆らって頑張る姿は本当に立派だと思えますし、どんなに困難でも未来の幸福を信じて進む姿勢に、忘れていた大切なものを思い出させてくれた気がして、久々に清々しい読書体験をしました。