元駐タイ大使である岡崎久彦氏の最近の論文集である。
岡崎氏の立場ははっきりしていて、
日米同盟こそ現実的かつ最良の選択肢ということである。
著者の言う通り日英同盟の30年と日米同盟の50年は
日本にとって安定した時期であった。
これからも日米安保が軸になることは間違いないだろう。
少し気になるのは、
以前イラク戦争を積極的に支持していた著者が、
その後の混迷のイラクを前にして論調が変わったことと、
対等な立場での日米同盟について展望を示していない点である。
前者については西部邁氏による指摘が厳しいところだ。
後者は、自主防衛を前提にした日米同盟こそ将来に向けた
日本のあるべき姿と考えるが、そこまでの言及はない。
もともと新聞などに掲載の論文であり、論理もわかりやすく
外交問題入門編と捉えるとよいだろう。