公演会の収録と時事エッセーの作品集です。
佐野先生の作品でおなじみの満州やダイエーなどテーマも書れていて、
それらの著作の補完的に読めます。
しかしこの本で秀逸なのは短いルポタージュですが「ドキュメント東京の下層社会」です。
ここ数年読んだ現代における貧困についてのルポタージュのなかで秀逸でした。
テーマが貧困だと視点が上からのルポが多い中で、
佐野さんのルポは本当に地に付いている。
宮本常一の民俗学的なアプローチでさらけ出される事実は迫力があります。
給食費ひとつにとっても親のエゴがむき出しになっている部分を洗い出、し
学校間格差については日本の将来の根底にかかわる問題なのに問題として
社会に取り上げられてないことが恐ろしいです。
このルポだけでも読む価値があります。