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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
統帥権に対する認識の甘さ,
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レビュー対象商品: この国のかたち〈4〉 (文春文庫) (文庫)
4巻は久しぶりに統帥権についてページを大きく割いています。軍部による統帥権干犯を強く批判する司馬ですが、すでに幕末・明治初期あたりから統帥権を軽んじる風潮があったとの指摘は、ちょっと歴史観が変わった気がしました。 昭和軍部の暴走は日露戦争の成功(というよりも成功と勘違いしたこと)に端を発していると思っていましたが、背景にはもっともっと根深い日本人のメンタリティがあるということがよくわかります。 また、朝鮮半島で520年も続いた李氏朝鮮が中国と日本をどのように見ていたかのくだり(「李朝と明治維新」)は、日本にとって朝鮮半島が、朝鮮半島にとって日本が、地政学的にいかに重要で密接な関係にあるかということがよく理解できました。
5つ星のうち 5.0
「統帥権の魔法の巧妙さは、他国を占領することによってやがて自国を占領するというところにある」,
レビュー対象商品: この国のかたち〈4〉 (文春文庫) (文庫)
統帥権の巻。紙幅もあるので、つべこべ書くのはしません。 この年92年はPKO法が成立、カンボジアに自衛隊が派遣されました。 ***** 大正時代での憲法解釈では、統帥権は三権の仲間に入らず、「但し書き」として存在した。……“(満州)事変”を軍部が統帥権的謀略によってつくりだすことで日本国を支配しようとしたことについては、陸軍部内に、思想的合意の文章というべき機密文書が存在した。『統帥綱領』『統帥参考』がそれである。……編んだのは統帥権の機関である陸軍の参謀本部であった。この書物は軍の最高機密に属し、特定の将校だけが閲覧をゆるされた。修辞学的にいうと、統帥権の保持者である天皇といえども見せてもらえなかったはずである。(「別国」94〜103p) その本のなかに「非常大権」という項目がある。……一見おそろしげにみえるが、当時、どこの国の憲法にもこの一項は入っていて人間のくらしでたとえると入院治療とかわらない。…この憲法第三十一条でいう”事変”がどういう意味かについては、すでに明治二十一年、憲法草案の条文逐条審議の段階において問題になった。もし“事変の”解釈をあやまった非常大権が発動されたりすればはじめから憲法をつくる必要もなく、いわば無法の国家になってしまう。そんなむちゃな国家をつくるつもりは、むろん明治人にはなかった。……『統帥綱領』『統帥参考』にあっては、その条項をてこに統帥権を三権に優越させ、“統帥国家”を考えた。つまり別国をつくろうとし、げんにやりとげた。(同上、99p) (西南戦争という統帥の)みだれは、隔世遺伝のように、昭和の陸軍に遺伝した。その(=陸軍の暴発)出発は明治初年の薩摩系近衛兵の政治化にあったといっていい。(「統帥権(三)」134p) 【収録タイトル】 馬/室町の世/徳/士/わだつみ/庭/松/招魂/別国/統帥権(一)〜(四)/うるし/白石の父/近代以前の自伝/李朝と明治維新/長崎/船と想像力/御坊主/日本人の二十世紀(巻末収録別項)/あとがき
5つ星のうち 5.0
統帥権に関する考察,
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レビュー対象商品: この国のかたち〈4〉 (文春文庫) (文庫)
日本の歴史に関するエッセイ集。教科書的な羅列では無く、時代背景・現代との関連性などを 有機的なつながりを持たせており、歴史に立体感を感じて、 大変面白く読むことができる。 こんなエッセイがついた日本史資料集 があれば大変面白いのにと思う。 司馬史観と批判されることもある著者の作品だが、 この巻では4回にわたって統帥権に関する考察と、日本人の二十世紀と題して 大東亜戦争に至った考察がなされている短編が収録されており、 一つのものの見方として、頭に入れて損は無いと思われる内容である。
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