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この国が忘れていた正義 (文春新書)
 
 

この国が忘れていた正義 (文春新書) [新書]

中嶋 博行
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

犯罪者「福祉」予算2200億円!凶悪犯の人権、いじめっ子の教育権が優遇される原因は「犯罪者福祉型社会」にある。日本が正義を取り戻すために「処罰社会モデル」を提唱。

内容(「MARC」データベースより)

日本は加害者に甘すぎる-。犯罪者「福祉」予算2200億円! 凶悪犯の人権、いじめっ子の教育権が優遇される「犯罪者福祉型社会」を排し、日本が正義を取り戻すための「ウルトラ処罰社会モデル」の導入を提唱する。

登録情報

  • 新書: 185ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/07)
  • ISBN-10: 4166605828
  • ISBN-13: 978-4166605828
  • 発売日: 2007/07
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 もう少し細かい検証が欲しい, 2007/10/4
By 
たこやき21 (東京都) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: この国が忘れていた正義 (文春新書) (新書)
現在、日本の刑務所では、犯罪者の「教育」が日夜行われている。しかし、犯罪者の「教育」をしても、高い効果が期待できるとはいえないし、また、被害者は救われない。犯罪者「福祉」社会を見直すべきである。
本書はまず、アメリカにおける「犯罪者更生モデル」から「犯罪者隔離モデル」への変遷を記し、その後、日本での「更生モデル」の批判…へと話を展開させる。
著者の言うことの多くの点について賛成と思うところは多い。例えば、被害者救済のためには、加害者の人権に制限を加えるのも仕方が無いと言う点。刑務所労働の効率化を行い、その賃金を被害者への賠償へ回すべきと言う点。また、いじめについて厳正な対処を行うべきだと言う点など。
ただ、全体的に検証が弱いと感じる。
例えば犯罪者の人権を制限すべきだ、と言う部分ではミーガン法を適用し、より強固な監視社会へ進むべき、と言う。著者自身、「彼らはまともな職にはつけなくなる」と言うが、そうなると彼らは食べるために犯罪に走る可能性はないだろうか?
また「賠償モデル」の切り札を民営刑務所と言うのだが、著者自身、アメリカの民営刑務所で様々な問題が噴出していることを述べている。だが、その克服について提言しないまま日本へ持ち込むことを提案している。しかも、民営刑務所は経営が成り立たなければ成らない。その点について著者は「安い労働力を国内で供給できるから大丈夫」としか述べない。だが、浜井浩一氏の著書などによると、現在の日本の刑務所では「高齢者」「外国人」「暴力団関係者」ばかりが増えてしまい、「健康な若い受刑者」の不足が問題となっているという。もう少し細かい検証が必要だろう。
本書は、全体的に、いくつかの事件の事例を出して「こんな問題がある」と言うことを示して話を進める。それ自体は説得力があるのだが、詳細なデータなどが少ないため、どうも全体的に実効性が低く感じられてしまう。
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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 読んでみるもの, 2007/7/23
レビュー対象商品: この国が忘れていた正義 (文春新書) (新書)
感情論も交えて、少年を含めた「厳罰化議論」が沸いている。
こうした感情論に警鐘を鳴らす本(少年厳罰化私はこう考える・洋泉社)を読んで、厳罰化論にも怪しい煽りが少なくないとの印象を受けたので、「それでは厳罰化・応報刑論を煽るリーダーの顔も見ておこう」と読んでみたが、ただの煽り本ではなかった。

現状、受刑者改善教育の名でのべつ注ぎこまれる費用は全体としては効果が薄く、一方、被害者に対する受刑者からの補償などは現実に不可能だ。この本は、このアンバランスに着目している。

いかに模範囚でも、刑務所で民芸品など作っているというのは、贖罪の日々としてはあまりに牧歌的だし、国庫を通じても被害者への補償にも何にもならない。これはあくまで「受刑者自身の教育のため」であり被害者不在だ。ここに応報刑復活の感情を呼び覚ます原因がある。

著者の「刑務所で競争力ある産業を展開し、厳しく働かせて被害者への補償にあてる」「そのため刑務所を民営化し、営利を追求させる」「出所後も継続的に補償を続けさせるよう監督する」という視点は正論かつ理想的で、「厳罰を」「長期刑を」という応報論とも一線を画し、「被害者に一生かけて償う」という加害者の守られないお約束を現実にするものと思う。

民事・刑事の峻別は司法職権による人権蹂躙への対策として生まれたものと著者も指摘しており、著者自身、両者の接点を求める大日本帝国憲法的アプローチへの回帰は簡単でないという認識を見せているが、近代的アプローチが袋小路に入った今、大衆感情が法的整合性など乗り越える時代、何でもアリの時代の勢いで、実現できたら素晴らしいことだ。
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17 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 究極の功利主義, 2007/7/30
レビュー対象商品: この国が忘れていた正義 (文春新書) (新書)
筆者の反人権論はきわめてユニークである。
人権派の大いなる勘違いがいまの日本を犯罪者福祉国家に仕立てて
しまったという「人権誤解論」はフランス革命に遡って論証してお
り、目からうろこの新説であった。歴史の授業ではけして教えてく
れない(火縄くすぶるバスチーユと年号を覚えるだけが歴史の勉強
ではないのだ)。

これまで人権派を攻撃する人々は倫理とか報恩とか右翼的な精神論
をもちだしていたが、筆者の立場はそうした伝統主義とも一線を画
している。本書をつらぬくのはウルトラ・プラグマティズム(究極
の功利主義)である。本書が提案するいじめ撲滅や被害者救済の手
段は「現実の実効力」が最優先されており、旧来の人権派には想像
すらできない「突き抜けた方法」ばかりだ。正義を実現するのは本
書の功利主義か旧来の人権主義か、真剣に考えさせられた。
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