アニメージュで連載されているインタビュー「この人に話を聞きたい」から最初期の三十人分を収録した本。
小黒さんのインタビュー姿勢は明快で、クリエーターの個性を描き出そうとしているように思えます。それがときに共鳴し、または修正されます。今までの作品への関わりを通して、その人が何に興味を持っているのか、どういう創作感を抱いているのかが、わかってくるようです。
そして今回の驚きは、多くの回がまだそれほど有名でなかった人物を取り上げているということです。BONES設立前の南雅彦さんからはじまり、マインドゲームとケモノヅメ前の湯浅政明さん、時をかける少女よりずっと前の細田守さん、オトナ帝国前の原恵一さん、のび太の恐竜前の渡辺歩さんなどが印象に残りました。
これらの時期の皆さんのインタビューは非常に少ないことからも実に貴重ではないでしょうか。メジャーになる前の心情はここでしか読めない!と宣伝しないのが不思議なくらいエキサイティングです。
また豊富な知識を生かしてベテランから話を引き出す面白さは、とり・みきさんの映画吹替王を思い出されました。
「通」の見る目の確かさにも感服ですが、彼らアニメプロフェッショナルのルーツと原動力がわかり、楽しく学べるよい本でした。