前知識無く書店平積になっていたのを見かけて購入。
帯にドラマ化8月5日放送とあり、俳優の格好が軍服だったので、
戦中の話なのだろうとは思ったが。
導入部とも云える前半二話は、ちょっとファンタジーが入り混じった
主人公の幼い日の記憶。そんな感じでふわふわと物語が紡がれるのかと
いうと、そうでもないのだが、前編は比較的緩やかに当時の情景が
描かれている気がする。後編は、徐々に戦争の現実が主人公の日常にも
突きつけられることになるのだが、理不尽と絶望の固まりのような
戦争というテーマを、それ一辺倒ではなく、非常時の中でも日常を
精一杯(そしてチャーミングに)生きる主人公とその周辺の描写は
素晴らしく、だからこそ、その中で起こる不幸な出来事にも、
ちょっとした笑い話にも深く感情移入できるのだと思う。
鬼いちゃんがどこかで生きていることを願う。