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66 人中、61人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
戦中の日常が淡々と……あたたかいタッチがどこか切ない,
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レビュー対象商品: この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) (コミック)
舞台は戦中の広島。昭和19年2月、昭和19年3月――というふうに ほぼ月単位で、こうの史代さんのあたたかなタッチで淡々と日常が描かれる。 スクリーントーンを使わず、ペンだけで描いていくこうのさんの絵柄は どこまでもあたたかい。 絵が好きな「すず」は軍都・呉に嫁いでいき、 そして少しずつ状況は重苦しくなっていく……。 とくに反戦を強調するでもない。説教臭くも押しつけがましくもない。 極端な政治的バイアスがかかっているわけでもない。 ヒステリックに反戦平和を叫ぶでもない。 登場人物はおおむねみんな大らかで明るい。 しかし、今から60数年前にこういう時代があったことを 私たちはきちんと認識しなければならないと思う。 明るく健気に生きる主人公たちだが、おそらくこれから下巻にはいると 空襲や原爆なども描かれるのだろうと思う。 「夕凪の街 桜の国」で高く評価されたこうのさんのタッチが いま平和に生きる私たちに「戦争」というものの意味を語りかける。 著者はそこまで意識してないかもしれないが、 やはり戦争は避けるべきものだし、起こってはならないものだと私は思う。 もちろん、戦争論はそういう情緒的なひと言で片づけられるものではないと わかっている。だがしかし、果たして戦争の是非を論じることに意味はあるのだろうか。 戦争は、この本で描かれているような、貧しくとも平和な日常を破壊するものなのだ。 世界では各地で戦争が起こっている。虐げられて立ち上がった戦争もあるが、 大国がバックについている戦争もある。 それらをここで論じようとは思わない。 ただ、世界の片隅で起こっていることでも、その痛みを私たちは自分のものとして 感じる努力をしなければならない――と、この本を読んで改めて思う。
41 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
すずの世界、戦争の時代,
By saramimi (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) (コミック)
背表紙の優しい色合いと字体に目を惹かれ、見ればこうの史代だったのですぐ買ってしまいました。 なので雑誌での連載の様子・今後の展開などの予備知識は一切ありません。 おっとりした雰囲気に黒子が甘さを足している顔のすず。 ドジで絵を描くのが好きで、たまに不思議なものに出会います。 戦中の広島と呉が舞台という事で、否応なく人々は戦争の時代にゆっくりと 足を踏み入れていますが、最初の短篇は予想外に怪奇譚的(後に話は繋がっていくのですが)。 暮らしの様子が丁寧に描かれていて、人それぞれの貧しくも温かい生活の中に 戦争という実感が時たまひっそりと、けれど生々しく顔を出します。 二十代の私にとってこの頃の嫁入りというのは今までどうも掴みづらかったのですが、 すずとすずを嫁に欲しいという周作のやりとりを読んで、 こんな感じかな?と少し分かりました。 二人のぎこちなく初々しい様子はニヤニヤしてしまいます。 こうの史代独特の間の抜けた笑いも健在。 すずの世界がどうなっていくのか、下巻が楽しみです。
30 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
圧倒的です,
By 江口淳 "元池袋芳林堂" (所沢(疎開先天草生まれ/日本橋育ち)) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) (コミック)
『夕凪の街 桜の国』こんな決定的な一冊を書いたひとに次はあるのか?その常識を見事に覆してくれた素晴らしい作品。 何ともただ呆れるばかりです 詰まらないレビューは要らない この時代この時にやっと出逢えた【奇跡】に感謝したい。 1945.8/7 母江口秀子29才 東京から天草の実家に戻る途中 原爆投下翌日 地獄のヒロシマを通過 姉5才兄3才 私は胎内でした 翌年2/18天草で出生。 時たまに お袋のその時の話を聞いて育った者にとって すずさんの〈明るさ〉は たくましく面白かったお袋の思い出に繋がり 何だか嬉しい気分になりました江口淳(63)
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