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この世の全部を敵に回して
 
 

この世の全部を敵に回して [単行本]

白石 一文
5つ星のうち 3.4  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

白石一文が問う、00年代「人間失格」の書
人間は、どこから来て、どこに向かうのか--。生きがたい思いを漫然と抱く
すべての人に、作者から突き付けられた八万文字分の言葉の爆弾。



白石一文さん:『この世の全部を敵に回して』を刊行 深めた人生観を吐露
生きる意味や社会のあり方を真正面から問いかける作風で知られる作家、白石一文さんが12冊目の本になる『この世の全部を敵に回して』(小学館)を刊行した。物語をつくらず、日常に考えていることを一人称で吐露した異色の一冊になっている。
「アンコだけの小説です。皮も何もない。読者に面白くないと思われても、知ったことか、という思いでした。今、自分が何を考えているのか、自身で確認したかった」
小説の全体は、心筋梗塞(こうそく)のために53歳で急死した男が遺(のこ)した手記という設定になっている。彼には妻と2人の子供がいた。大手の商社員だったが、43歳で脱サラし、コーヒー豆の輸入販売会社を起こした。
<人間には、別の人間を信ずるという能力が最初から欠落している>
<霊能者や教祖たちは、実際には私たち一人一人が抱える根源的な苦しみや渇きを何一つ癒(いや)してはいない>
<死を恐怖の対象と捉(とら)え、その恐怖が愛の力によって斥(しりぞ)けられると語る者を信用してはならない>
粘り強い思索から、さまざまな言葉が生み出される。わかりやすく、たとえ話を交えながら、まっすぐに人生は何のために、と問いかけるのが特徴的だ。
「小説を書いていると、自分が何かを考えているような錯覚に陥る。でも、本当はどうなのか。哲学用語など、難しい言葉を使うことは避けました。特に仏教の言葉を使うと、とても物事を説明しやすい。でも、それは禁じて、借り物の思想ではなく、自前の人生観を語りたかった。それはすべての作家の最低限の義務だと思います」
物語を書くことの難しさを「今の時代に全体を理解することの困難」に結び付けて解説した。
「個別的なものを具体的に追求すればするほど、レポートになってしまう。それぞれの細部の情報はパッケージ化されている。そこに入っていくと、詳しくなるのだけれど、全体をつかめなくなる。そしてパターンに陥りやすい。そうじゃない書き方がいかにして可能なのか。探すしかないのが、今の作家が置かれている状況でしょう」
白石さんは再び、物語の海へ歩みを進めるのだろうか。一人称による告白を経て、今後の展開が楽しみになった。【重里徹也】(毎日新聞社08年6月11日付け朝刊)

内容(「BOOK」データベースより)

私という人間は、生まれてこなくてもちっとも構わなかった。二十一世紀の「人間失格」。

登録情報

  • 単行本: 146ページ
  • 出版社: 小学館 (2008/4/24)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4093862117
  • ISBN-13: 978-4093862110
  • 発売日: 2008/4/24
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.4  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 白石さんが直木賞を取るまでは、失礼ながら一度も本を手に取ったことはありませんでした。「ほかならぬ人」の主人公のは一見誠実でいながら、その根底にあるのははこの世に生きることに対するあきらめではないか。そんな風に感じて、他の作品を読んでみる気になりました。これを読んでみて、「ああ、なるほど」と思いました。読み始めは、全編にわたってあまりにも苛烈にすべてを否定しまくって、何にも救いが無いなあと思っていたのですが、読後には、人間が穏やかに、幸せに生きるためには、執着を捨てて、あるがままを受け入れることしかないのだろうなあと宗教家になったようにそれを受け入れている自分がいました。久々にインパクトがありました。
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20 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
「生と死」について、ひたすら考えて考え考えつくした作品です。レビューを見ると、賛否両論ですね。私には手記の部分が圧倒的に思考的・説明的で、具体的な人間の息吹が感じられないまま、終わってしまいました。思考型・手記型の小説であっても、「手記を書いている人が生きている時間・人生の一コマ一コマ」が感じられる小説は、私の読書暦の中でもベストに類する作品が幾つもあるので、この作品も楽しみにしていたのですが、残念ながらこの作品からは、私には「人生と向き合う哀切な時間」が感じられませんでした。ただ、ここまで、ひたすら考え尽くした作者の「重い推進力」のようなものはひしひしと感じられます。通俗的なサービス精神とは無縁の作品です。そういう点では覚悟の座った小説だと思います。ひたすら考えて、進み続けた執念は怖いほどのものがありました。私には少し合いませんでしたが、書き手の「強い覚悟」という点では、確かに圧倒されるものがあります。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 遂に暴かれた白石一文の本性。
 彼が本当に書きたかったのは『一瞬の光』でも『僕のなかの壊れていない部分』でもなく本作だったのだ。
「問題作」などという生易しいレベルではない。文字通り、「この世の全部を敵に回して」でも言わざるを得なかった白石の本音が本作だ。

「我が子を失ったことで心の底から哀しむなどという能力はそもそも我々人間には備わっていない」
「もしも私たちに霊魂があって、その霊魂は肉体から離脱したあとも永遠に生き続けるとしたなら、そういう永遠に生きる私に「私」など果たして必要なのだろうか?」
「殺人とは私たちにとって生きていく上での尊い手段であり、責任と覚悟をもって行なうべき華々しい行為なのである」
「人生を豊かなもの、美しいもの、愉快なもの、神々しいものであるかのように説く者たちの言葉に乗せられてはいけない」
 こうした言葉の劇薬が本書にはぎっしりと詰められている。

 地動説を証明したガリレオは聖書を冒涜したという理由で著作の出版が禁じられ、死ぬまで監禁された。
 教会を批評したヴォルテールは何度も投獄され、無神論者だったため葬式をあげてもらえず、挙げ句遺骸は盗まれた。
 社会を支配する「大多数の良識派」に喧嘩を売った、偉大なるパイオニアほど生前は正当な評価を得ていない。道徳なんて教科書だけで十分。この作品を貶す人間はいかに自分がわかりやすさを売り物としたマニュアル文学に安穏と慣れ親しんできたか、自戒すべきだろう。

 今この時代に、この国に、白石一文がいることを誇りに思う。
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タイトル「この世の全部を敵に回して」というのは、本の内容と一致していないように思われます。... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: chibic
大変良くわかる納得感のある文章。良い本に出会えました。
自分と社会を繰り返し分析し客観的に考えようという試みが全体的に感じられた。
なかなか自分がいつもしていることと結構似ているなーと思いつつ。... 続きを読む
投稿日: 2010/2/20 投稿者: まるちゃん
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投稿日: 2010/2/14
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本自体が薄いからといって甘く見てはならない。内容はすごく重いです。
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タイトルをなんとかしてくださいな
本屋で手にとって、それなりに興味をひかれる断片が引っ掛かったのでつい買ってしまいました。... 続きを読む
投稿日: 2008/10/28 投稿者: uirou
ショックを受けました
若い頃より、この世の不条理について、悩み、考え、多くの本を読んできましたが、ようやく僕の苦しみ、悲しみを白石氏がこの本で全て語ってくれました。もうこれ以上の本は出... 続きを読む
投稿日: 2008/8/15 投稿者: あき
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