他の人も書いていらっしゃいますが、細かい点をあげつらわなければ去年のに比べて非常に妥当なランキングだと思います。
ただそれゆえに新しい発見があまりなく、面白みに欠けると言うこともできなくはありません。また、個人的にももっと大きく取り上げてほしいと思う作品もたくさんあります(チェーザレとかランドリオールとかその他いろいろ)。
しかし全ての作品を扱うのは紙幅の関係上無理ですし、限られた人間が選ぶ以上選考に偏りが生じるのは仕方ありません。好みの問題もあります。それらを前提にしたうえで考えてみると、マイナーな作品に傾きがちな選考の中でこれだけ納得のいくランキングになっているというのは、紹介されている作品がどれだけ面白いかを示す証左であるとも言えます。上位にランクインしている読んだことのない作品があれば是非読んでみることをオススメします。とくに今年のオンナ編ランキングの作品は男性が読んでも面白い作品が並んでいるし、逆もまた然りです。
※追記 興味ない人は読み飛ばしてください
自分としては割と内容に納得できたんですが、結構ネット上では賛否両論あるようで、「普通の人が読んで純粋に面白いマンガ」というよりは「普段から割とマンガを読んでいる人から見てセンスよく見えるマンガ」が多く取り上げられており、そういう観点で選ぶのはどうなんだ、というような意見があるみたいです。具体的には「聖☆おにいさん」がぶっちぎりだったことやオンナ編でまだそれほど巻数の出てない作品が上位に集中したことなどに関して『「マンガ読みたちのセンスの競い合い」みたいなものがこの本の内外に感じられて気持ち悪い』とか、『権威化している』とか、『そもそもマンガにランキングをつけることができるのか』とか、そういった類の批判です。これらには一理あると思います。実際僕もそう感じることもあります。しかしそもそもこの本の題名は「このマンガがすごい!」です(「このマンガが面白い」ではなく)。マンガ読みの目から見て「言及されるべき」と思える作品が選ばれるのは必ずしも間違ってないし、ランキングに関しても一種のお祭り的なものとして楽しめばよいと思います。もちろんそれが行き過ぎるのは良くないですが、そういう傾向はむしろ去年の方が強過ぎるように感じました。今年もそういう面がないわけじゃないけど、単純にすごく面白いと言える作品が多く選ばれててバランスが良く感じられた。順当と書いたのはそういう意味です。
何が言いたいのか自分でもよく分からなくなってきましたが、結局、自分が面白いと思う作品は面白いと言えばいいし、気に入らない作品は気に入らないと言えばいい。この本に紹介されている作品が全てではない。―それさえ分かっていれば、いろんな層の人にとってそれなりに有用な本だと思います。