2004年に出されている同じ題名のムックは、古今の名作マンガをジャンル別に集め紹介する大判で分厚い、カタログ的な体裁だったが、本作は同じ宝島社から毎年恒例で出版されている「このミステリがすごい」と同じように、その年に出されたマンガから選ばれたベスト作品の紹介を中心とした内容になっている。
ただし、やはりというか、マンガ界・コミック界の広がりはミステリ界の比ではなく、本誌は掲載誌の性格によって分類されたと推測される「オトコ編」と「オンナ編」に2分冊になっている。このため、例えば安野モヨ子の「働きマン」は「オトコ編」、「監督不行届」は「オンナ編」と分かれて掲載されることになった。
2005年のランキングとその作品紹介を中心とした構成は、「このミステリがすごい」と同様だが、最終回スペシャル、新連載チェックなど紙面がかなり充実している。
おもしろいのは、多様に広がったマンガ界・コミック界の中で個々の読者はそれぞれ好みのジャンルに限定された読み方をしているという認識があるようで、ジャンル別ガイドでは「ギャンブル」「ヤンキー」「4コマ」「三国志」といったマイナージャンル・特定ジャンルの紹介にも配慮している点をあげたい。
最近、読むコミックが固定化しているという人、おもしろいコミックがない、と思っている人、おもしろそうだが手がでていない作品があるという人などなどいろいろな読み方ができるであろう。また今後、毎年出るのであれば2005年のマンガ・コミック界の記録としての価値も出てくるであろう。買い。