初めはこの作品、ただのウケ狙いの売らんかな路線だと思っていました。
でも、試しに読んでみて妙に惹かれる何かを感じて、何回も重ね読みを
しました。
そこで見えてきたのは、この作品は表向きはラブコメと表しているけれ
ども、実はけっこうしっかりとしたテーマを持って描かれているのでは
ないかということです。
確かに少女のパンチラシーンとか果ては自慰のシーンまで出てきますが、
もともと小学4年生のことだと思って読んでますから、わたしの感覚と
してはそれはまぁ、あるんじゃないの? 程度です。
そういった(恐らく)表向きのことを透かした向こうに見えてくるのは、
こじかトリオの友情と成長、そしてそれを取り巻く大人たちの結びつき
なワケで、そのあたり、かなりしっかりと描かれていることに気がつき、
思わず唸ってしまいました。
この作品、作者が長い漫画家生活で培ってきたノウハウと人生観など、
円熟の域に達した領域で執筆しているのではないかと思います。
少なからず作者もここに辿り着くまでにいろいろとあったのではないか
と思います。漫画家業界は大変厳しいものですから。その中で、色々と
経験してこられたでしょうし、負の感情とかもあったりしたかも知れま
せん。でも、それらをひっくるめて昇華させることに成功した、まさに
大輪の花となったのがこの『こどものじかん』なのではないか、と思い
ます。
この作品は私たちにいろいろなことを示唆してくれます。
それを読み解いていくのも楽しい、傑作だと思います。