ませた小学生少女の過激な言動ばかりが話題になっているようですが、この作品は最近巷に溢れているいわゆる萌え系ロリータ趣味漫画とは明らかに一線を画しています。
作者は小学校教育の様々な問題点についてしっかりと取材をしているらしく、現場の先生達の苦労や戸惑い、そして多感な小学生達の抱える心や体の悩みなどが、コメディタッチの明るい作風の中にもきちんと描かれています。
毎晩徹夜の予習で頑張っても、経験不足故に教科書をなぞるだけの退屈な授業しかできない。結果子供達は退屈しだし、誰も言うことを聞かなくなり、騒ぎはじめる。一体誰のために苦労していると思っているのか。
主人公青木先生のこうした苦悩は、新任教師なら誰しも最初は経験するものです。私も以前塾講師をしていたことがありますが、子供達にとって、おもしろく、分かりやすい授業などというものはそう簡単にできるものではありません。1時間、子供達に自分の話を聞かせるということがどれほどたいへんなことか、それは経験したことのある人しか分からないでしょう。
一方、苦労しているのは先生達ばかりではありません。小学生の子供達も様々な悩みを抱えています。親や先生を選べない彼らは、ときに大人達の心無い身勝手な振る舞いに傷つけられながらも、何とか自分の身を守りながら精一杯生きようと頑張っています。彼らのませた言動は自分を守るための手段の一つなのかもしれません。
作中の問題児九重りんちゃんも、過激なませた言動で青木先生を翻弄させてばかりいますが、その大人びた心にはどこか影を持っているようです。そんなりんちゃんも、青木先生の誠意ある姿にいつしか心を開いていきます。
この作品は結局先生と生徒の心の交流こそが、教育の中で一番大切なのだというごく当たり前のことを気付かせてくれます。これから先生を目指そうという人達にも真面目に薦めたい一冊です。