すぐれた絵本はイメージの世界を通して、現実の世界ではなかなか
生まれ得ない感情までも読者に表出させてくれます。
この絵本の表紙が想起させる感情は、かわいい小鳥との交流から生まれる
楽しさ、喜び といったところでしょうか。実際ページをめくっていくと
その期待は満たされていきます。
しかし、この作品はそれだけではない。終盤に 「怖い」 と感じるシーンが
登場するのです。人によって感じ方は違うかもしれませんが、ボクはCGによる
きれいな絵との対比も手伝って、ヒヤリとする恐怖を感じたのです。
そして、それがこの作品を印象深いものにしてくれました。
さらにそのインパクトのあるシーンのあとで 安心感 や 喜び を新ためて
感じさせてくれます。読後は 「愛とは何か」 をより広く深い視点で
実感できることでしょう。
女の子の体験を通して、小鳥の視点と母親の視点の両方を
一瞬でうまく伝えてくれる作品といえます。