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ことば汁
 
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ことば汁 [単行本]

小池 昌代
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

モノクロームの日常から、あやしく甘い耽溺の森へ。詩人に仕える女、孤独なカーテン職人、魅入られた者たちが、ケモノになる瞬間--短篇の名手が誘う幻想譚六篇。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

モノクロームの日常から、あやしく甘い耽溺の森へ。詩人につかえる女、孤独なカーテン職人。魅入られた者たちが、ケモノになる瞬間―川端康成文学賞受賞の名手が誘う幻想の物語六篇。

登録情報

  • 単行本: 256ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2008/09)
  • ISBN-10: 4120039749
  • ISBN-13: 978-4120039744
  • 発売日: 2008/09
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.4 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 342,331位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nyanco VINE™ メンバー
形式:単行本
初、小池作品です。
食わず嫌いで、実に勿体ない事をしていました。
とにかく文章が巧い!
ふとした1行に目が釘付けになり、ページを繰る手が何度も止まり、あまりの勿体なさに、先に進むのを躊躇することが何度もありました。
速読、読み散しの私には珍しいことですが、そのくらい言葉が美しい。
日常が、幻想へと移り変わっていく様が、実に自然で違和感がない。
凄く不思議な話なのに…。
これが力量というものなのでしょうか。
『つの』『すずめ』『りぼん』が特に好きです。
作者と同年配である50才前後の独身女性の生活と心情がリアルに描かれています。
そのことが、この幻想的な不思議な話に、意外とありそう…な現実味を持たせているのでしょうか。
小池作品、もっと読みたいです!
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
巻頭の「女房」以外はすべて婚期をのがして中年になってしまった女性たちが主人公になっている。だが、そこに展開される物語は悔恨や憔悴や痛みだけにとらわれない、ある意味幻想的な世界を描いており、おもわず引き込まれてしまう。例えば、「つの」は老齢の有名な詩人の秘書をしている女性が主人公なのだが、恋多き浮世離れした飄々たる老詩人に仕えて結婚もせず、かといって詩人と深い関係になるわけでもない微妙な距離感がエピソードにのって浮き彫りにされ、尚且つ後半にはそれが思わぬ形で表出する演出が秀逸である。また続く「すずめ」ではカーテンを扱う店を経営する女性が体験する現実離れした出来事が描かれてぐいぐい読ませる。ここに登場する「舌きり雀」の話は作者の創作なのだろうか?それとも別バージョンとして残っているものなのだろうか?なんとも興味尽きない。「花火」は一旦は結婚していたが、離婚して両親の家に帰ってきている女性が描かれる。淡々とした筆勢でよくある期待と消沈の物語が進められていくのだが、途中にはさまれるエピソードがなんとも怖い話だった。「野うさぎ」は物語を書けなくなってしまった作家が主人公。だが、彼女が体験する出来事は破滅と再生の間を目まぐるしく行き来してなんとも息苦しい。刹那的な生き方に共感と恐れを抱いてしまう。「りぼん」は友人を事故で亡くしてしまった女性が、遺品として大量のりぼんを引き取るところから紡がれる物語。不穏な雰囲気が漂う中、これも幻想味が顔をのぞかせ、ぱちんと閉じてしまう。後先になったが巻頭の「女房」だけは若いカップルが描かれる。ザリガニのわしゃわしゃ動いてる様がなんとも印象的な一編。タイトルの意味がラスト近くまでわからなかった。おもしろい。というわけで、内容紹介だけでは本書の魅力の一端も紹介できてないことに気づいた。タイトルの「ことば汁」から連想できるように、本書の凄みは詩人でもある著者のことばマニア的なこだわりの上に成り立っている。「ことば汁」というタイトルはそんな著者からの挑戦でもあるのだ。なんとも不敵でたのもしい限りではないか。
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By Dolly the Cat トップ50レビュアー
形式:単行本
 ヴィヴィッドな悪夢を思わせるケイオスティックなカバーと、「ことば汁」というタイトルが表わしているように、どのページにも邪悪な匂いとエロティックな自己陶酔が充溢している。「女房」「つの」「すずめ」「花火」「野うさぎ」「りぼん」――まさしく残酷な童話を思わせる短編が、淡々と語られていく。幻想文学とは簡単にくくれない、無邪気なまでの悪意と絶望、死への渇望と世界からの無視がここにはある、と感じさせられた。
 「自分の血を味わうと、自分がケモノになったようですこし哀しい」「わたしはまだ生きている。そのことにときどき、驚いてしまう」こうした生への感慨が、小池氏の世界観なのかもしれない。
 昔話を織りこんだ「すずめ」はとりわけ秀逸。また、「野うさぎ」はのちの長編「転生回遊女」につながる作品にも読めた。
 ただ、ほかの本に比べると、やや無理のあるストーリー展開に引っ張られたのか、小池氏本来の、圧倒的な言葉のきらめき、こちらの身に突然切り込んでくるような鋭さが少ないように感じられた。
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