登録情報
|
この本が出版されるまで日本全国の国語の教科書には「最後の授業」というフランスの小説が掲載されていたものです。ドイツとの戦争に敗れたためにフランスから割譲されるアルザス・ロレーヌ地域でフランス語の授業が明日から禁止される、そんな最後のフランス語の授業を描いた名作短編と言われていました。私も子供のころ、自分の国の言葉を愛することの大切さ、自分の言葉を奪われることの理不尽さを、この小説を通して教えられた憶えがあります。
しかしこの「ことばと国家」が世に出たことで日本の国語の教科書から「最後の授業」が一斉に姿を消しました。「フランス語万歳!」と叫んだ「最後の授業」の舞台となった地域で多くの人々が実は日常的にはフランス語ではなくドイツ語の一方言を話していたということがこの本で明らかにされたためです。<名作>とされた小説の裏に、実は民衆を省みないフランス政府による言語統制があった。その事実に愕然とさせられました。
翻ってみると、この私の使う日本語ひとつとっても、国家の意図とは無縁ではないはずです。自分が話していることばが国家のどういう意図によって成り立っているのか、この本はそのことに目を向けさせてくれます。より主体的に「ことば」にかかわっていくきっかけになる一冊として、多くの人に読んでもらいたいと思います。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|