松竹2011年度最大級の大作は、多分にこれを「寅さん」シリーズのように
続けて行きたい狙いがあるのだと思う。
寅さんならぬ「両さん」の実らぬ恋と大事件。ホンは決して悪くないのだが、残念ながら
ヒットはしなかった。松竹の経営状況を考えると、今後続編を作るのかどうかは注目だ。
「のだめ」シリーズの川村監督の演出は、さすがに手堅い。
俳優陣もTVドラマのレギュラーに加えて、夏八木勲、谷原章介、平田満、沢村一樹など
ピンで主役が張れる人たちを揃えており、重厚感もあった。
また、寅さん流にいう「ヒロイン」の深田恭子も、座長という役回りには迫力が欠けたが、
主人公を舞い上がらせるコケティッシュな魅力は全開で、良かったと思う。
反面、香里奈の見せ場が「ほぼゼロ」だったのは、本人も納得できなかったんじゃないだろうか。
ストーリーは「寅さん」+「天国と地獄」であり、松竹という映画会社のカラーも
良く出ていた。あんな緊迫感のない誘拐事件もそうそうないが(笑)、まあこれも
活動写真の醍醐味だろう。
不満なのは特典映像で、三百六十五歩のマーチの体操がHDで収録されているのみ、というのは
どうかと思う。ブルーレイは大容量が売りなのだから、メイキングもこちらに収録する
べきではないか。これでは「安かろう、悪かろう」的な売り方と言われても仕方が無いのでは。
星は3つです。