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こちらあみ子
 
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こちらあみ子 [単行本]

今村 夏子
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第24回(2011年) 三島由紀夫賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

少女の目に映る世界を鮮やかに描いた第26回太宰治賞受賞作。書き下ろし作品『ピクニック』を収録。

登録情報

  • 単行本: 199ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/1/10)
  • ISBN-10: 4480804307
  • ISBN-13: 978-4480804303
  • 発売日: 2011/1/10
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 68,919位 (本のベストセラーを見る)
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 この頃、「発達障害」という言葉をよく耳にするようになった。それでも本人と家族が問題をすべて抱えて生活しているスタイルはあまり変わってはいない。彼女の内面描写(これは特筆すべき!)からも分かるようにあみ子は本当は優しい。そして、家族は輪を掛けて優しい。彼らは知っているのだ。誰にも理解されない悲しさの中に漂いながらも健気に生きているのはあみ子自身なのだと。ただ、優しさは決して幸福につながらない。優しさの裏側に見え隠れする弱さ。そこからのやるせなさ、切なさ・・これは障害者とその家族の決しておおげさではない起り得るだろう現実、縮図を表した物語でもある。
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24 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
太宰治賞2010受賞作。
主人公、あみ子の小学校時代の回想が一人称視点で進行する。
冒頭の小学生とのやり取りではあみ子は普通の女性として描かれるが、過去はちょっと個性的過ぎる女の子だった。
治療が必要なのか、あるいは先天的な障害なのかと気を揉んでしまうほどの、逸脱した主観がどれほどの深刻さかと心配になる危うさ。
しかし絶望的にならずに読み進められるのは、テンポ良いリズムとコミカルなタッチで描く安定した筆力があるため。
一見無秩序に見える出来事が頻出するのは論理性の瓦解と思われるかもしれないが、あみ子の視点で物語が進行していることを考えれば、一般的価値判断の基準と照らし合わせて不合理に写るのは当然でもある。
全体としてミステリアスな魅力に溢れ、感傷的で、読者の心に強く響く。
ここ最近で読んだ新人女性作家の作品の中で一番よかった。もちろん芥川賞受賞作を含めた上で。
但し残念だったのはタイトル。
元々の「新しい娘」が審査員に不評で改題になったが、「こちらあみ子」ではあまりにひねりがなく、せっかくの作品の重厚な魅力が伝わってこない。
すみれがキーアイテムなのだから、すみれ絡みのタイトルにして欲しかったのが唯一の心残りである。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By fly
読みやすい話題作と貸されたので、全くなんの予備知識もなく読んだが、衝撃を受けた。

トットちゃんが、理解者や環境に恵まれたケースだとすると、
あみ子は、恵まれすぎもせず、恵まれなさすぎもしない、きわめてありがちなレギュラーケースなのかもしれないと思った。

むろんこちらは、フィクションだろうが。

理解されたい、話を聞いてもらいたい、コミュニケーションをとりたい。
その思いから、理解され話を聞いてもらえなくなってしまう行動をエスカレートさせてしまうあみ子。

障害の有る無しに関係なく、すべての人に発生しうる哀しい構造だ。

だが救いもある。
どんなに助けを求めて叫んでも誰にも届きゃしない・・・はずが、届くこともある。
ちゃんと自分の事を考えて助け見守ってくれていた人がいたことに気づくこともある。
理解を望めない相手でも、ちゃんと話せばちゃんと伝わることもある。

基本つながらないトランシーバーのように悲惨だけど、一瞬つながることがある。
そのつながった瞬間が、つながらなかったそれまでとそれからを覆うくらい眩いから生きていける。
人生ってそんなもんかも?

でも対話と観察を増やして、ちゃんと人を理解しようとしてれば、
つながる瞬間ってもっと人生で増えるのかもしれない。

ちゃんと自分の人生に還元できる何かがある作品は好きだ。
だが大好きな作品・・とは言えないのは、甘口の感傷に浸らせてはくれず、あくまでシビアだからだ。
彼女のヒーローは永遠のヒーローでもないし、一瞬のとまでは言わないまでも、ものすごく不完全なヒーローだ。
だがそれがリアル。
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