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私は会社員ですが、仕事上疲れやストレスが溜まると身体が硬直したり動悸めまい倦怠感が発生します。抗うつ剤も服用していますが、薬を一生飲み続けるわけにもいかないなぁと思い、いま体質改善を目指しています。
仕事上のトラブルやストレスやがピークに達しているとき、私達は「息をつめていたり」「呼吸が浅くなっている」と思います。そこで、かねてより、呼吸法に何か糸口があるのではないかと思っておりましたので、今回購読しました。
本書では、そんなときには脳内に悪い働きが生じていることを医学的見地から解説し、深呼吸ではなく「長く吐ききる呼吸法~丹田呼吸法~」や、普段からの「リズム運動」による平常心回復法が有効であることを説明しています。
まだ実践段階なので効果のほどはこれからですが、極度の緊張状態におかれやすい現代社会にあって、うつになったり心が乱れたりする機会は増加する一方だと思いますので、こうした呼吸法を知ることは、まず「平常心を保ち危機を回避する」うえで参考になるかと思います。
問題は、有田氏が担当するセロトニン神経に関する記述。
この人がやっている脳内セロトニン測定法は専門家の間
では完全に否定されている代物です。脳内で分泌された
セロトニンは、速やかに5-ヒドロキシインドール酢酸と
いう物質に代謝されてしまいますので、血中や尿中でセ
ロトニンの定量を行なっても脳内のことはわかりません。
因みに、このズサンさは、後作の『セロトニン欠乏脳』
(NHK出版)においても、全く改善されることはありま
せん。
セロトニンは確かに、医学の世界でホットな分野ですし、
一般の方の関心も高いようですが、それに便乗する形で
根拠もなしに、”セロトニン呼吸法”などと喧伝される
と抵抗を感じてしまいます。
もちろん、この本に限らず、いいかげんな健康本の類は、
枚挙にいとまがありませんが、本書は東大医学部卒の現
職の医学部教授により執筆されたことが特異であると思
います。誰だって書かれている内容を信じたくなります。
結論としては、実践家の高橋玄朴さんが、一人で実践法
だけ書けば良かったのだと思いますが、ひょっとして実
践家の間には、”たとえウソでもいいから科学的根拠”
と思える裏づけがほしい”といった誤った風潮があるの
でしょうか。大変、残念なことです。
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