特集は「うつ病は治るか」。「うつ病の広がり」「ライフサイクルと治るうつ病」「合併する疾患と治るうつ病」という大きな項目の中で、16のテーマで特集が組まれている。どの先生の文章も興味深く読んだ。
「うつ病の広がり」の中で「うつ病の範囲は広がりその数は増加しているか」「「うつ病が治る」とはどうなることか」「典型的なうつ病とは」「新しいタイプのうつ病概説」「うつ病の治療を考える」の5つの文章は、順番に読んでいくとうつ病についてよく理解できるようになっていて良かった。
従来のうつ病とは違い、仕事には行けないが遊びは元気に出来る、自分よりも他者(周囲)を責めるタイプの新しいうつ病が増えているとのことだが、これは時代の移り変わりによるものだろうか。それとも以前からあったものが、診断基準が出来たことでうつ病の範囲に入れられるようになったものだろうか。新しいタイプのうつは、従来型とは違って薬はあまり効かず、精神療法や生活指導の方が有効だという。難しい時代になったと思う。仙波先生の「うつ病の範囲は広がりその数は増加しているか」の中で、そのことについていろいろと考察されている。新しいタイプのうつ病については、多田先生の「新しいタイプのうつ病概説」がとても理解しやすかった。
ライフサイクルの方は、子供、思春期・青年期、壮年期、高齢者、大学生、勤労者、女性特有と、それぞれ分けて説明してくれているので、これもわかりやすかった。
合併する疾患との関係では、発達障害とうつ病の話、適応障害とうつ病の区別、アルコール依存を伴うもの、ガン患者のうつ病と、これもそれぞれのテーマにわけて書かれている。
何をもって「治る」とするか、については、宮岡等先生、宮岡佳子先生の「「うつ病が治る」とはどうなることか」や他の先生方の文章の中の実例に書かれているが、再発の可能性もある病だけに、周囲の環境、本人の思考・行動パターンを変えていくことの重要性も理解できた(思考・行動パターンを変えるのは難しいことではあるが)。