この本の中には、わたしたちが大切に見守りたい挑戦がある。
とても難しいことにあえてチャレンジしている人たちがいる。
それによって世間の中で生きることができる人たちがいる。
どうして在宅にこだわるのか。
患者からのSOSやトラブルが起これば、
訪問して対処しなければならないのに。
でもここには従来の精神医療に対する強烈なメッセージがある。
昨今、「患者さまのためのニーズに会わせた医療」などと
当たり障りのよいフレーズで提供されているお手軽な医療への
反抗なのではないか。
重篤な患者はこうした薄っぺらい医療では対応できない。
閉鎖病棟で一生管理され、生きる希望を失うかもしれない。
しかし、本の中でも語られているように、
本当の意味での患者本位とは、患者の自分の意思で生活する権利、
自由に行動する権利を保証した上で
365日24時間、患者を見守ることなのだ。