各章の目次タイトルは、「人のこころなどわかるはずがない」、「危機の際には生地がでてくる」「『理解ある親』をもつ子はたまらない」、「心の支えがたましいの重荷になる」など格言風に小気味よくまとめてあり、著者の専門家としての豊富な経験から調合された薬効ある文章が読者に語りかける。
また著者は遠藤周作の『生き上手、死に上手』から得られた「呪文」ということばを念頭に置き本書を手がけたという。「正しいとか正しくないとか、教えられるというのではなく「呪文」を唱えていると心が収まるのである」と著者は語り、自らも本書目次タイトルの1つを「唱えて」いるそうである。読者は自分の心に残った目次の言葉を選び、自分だけの「呪文」として楽しむことができるかもしれない。こころが少し風邪をひいてしまったなと思う読者や、自分自身の常識や創造性を振りかえってみたい読者には頼りがいのある1冊となるだろう。(青山浩子)
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51 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
わが師なり,
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レビュー対象商品: こころの処方箋 (単行本)
河合先生の『中年クライシス』と共に多くの示唆をもらった本である。わたしの心に響いたのは 12、100点以外はダメなときがある ここ一番という時が人生にはある。その時は100点を取ろう。 ただし、常に100点を狙ってはいけない。無用な労力を費やすことになる。 100点はときどきでよいのだ。 との河合先生の教えに、納得した。 15、一番生じやすいのは百八十度の変化である 27、灯を消すほうがよく見えることがある 34、どっぷりつかったものがほんとうに離れられる 50、のぼせが終わるところに関係がはじまる 以上の5章である。
36 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
人の心などわかるはずがない。,
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レビュー対象商品: こころの処方箋 (新潮文庫) (文庫)
初対面の時、相手の顔つきを見るだけで、「優しい人」とか「恐い人」などと判断してしまう事はないだろうか?それに反して、ユング派の臨床心理学の専門家である河合先生は、簡単に判断を下さず、人の心の動きというものはどんな動きをするのかわかる筈ないという前提で接していくし、「わかった」と思って決めつけたりレッテルを貼ったりせず、つまり、相手の心を直ぐに判断分析せず、未来の可能性の方に注目して会い続けていくというのである。それによって、そこから生まれてくるものを尊重しているうちに、自ずから心の処方箋も生まれてくるという。当たり前の事が当たり前に書かれてあり、どの項目から読み始めても、成るほど~!と納得でき、日常生活の僅かな空き時間に読むのもよし、通勤途中の電車で読むのもよし、心の中がポッっと暖かくなる一冊である。
28 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
新聞記者に読ませたい,
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レビュー対象商品: こころの処方箋 (新潮文庫) (文庫)
ずいぶんストレートな書名だ。こころの問題についての解決のヒントになるようなことが五十五章にわたってつづられている。 重要なのはものの見方である。薬があってそれを与えればいいというわけではない。 したがって、単純に割り切って考えることはできない。 著者自身も、「毎度のことながら、ここにも正しい答などはどはない。」(p225)とはっきり書いている。 「決めつけてしまうと、自分の責任が軽くなってしまって、誰かを非難するだけで、ものごとが片づいたような錯覚を起こしてしまう。」(p13)ことの方が多いだろう。新聞の論調を見ればそれがよく分かる。 新聞といえば、「マジメな人は自分の限定した世界の中では!、絶対にマジメなので、確かにそれ以上のことを考える必要もないし、反省する必要もない。マジメな人の無反省さは、鈍感や傲慢《ごうまん》にさえ通じるところがある。」(p60)など、まさに新聞そのものではないか。 学校の教師について、「自分は生徒たちとまったく同等の立場で生きている」というまやかしを論破しているが(p190)、生徒と対等であるべきだという論調を振りかざす人は、これを読んでどう思うのだろうか。
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