かっては胡散臭い霊能力者の体験談、今は個性的なスピリチュアリストの
パフォーマンスとして語られ、どちらにしろ、やや食傷気味の「あの世」の事を、
「科学する」という矛盾めいた題名にうまく乗せられて読んでみた。
かなり理解しにくい科学的学説が披露されているが、日を於いてまた読めば、
どこか感覚的に捉えると納得する部分もあって、スリリングな知的満足を得た。
ユングの集合的無意識、量子力学、東洋哲学、そして仏教との相互関連を指摘しつつ、
「この世をテレビの画像、あの世を電波の飛ぶ電磁界」に、
あるいは「ホログラフィーの干渉縞にはどんな小さな部分にも物体の全体像が
記録されている」といった、わかりやすいたとえで説明してくれる。
かくして先端科学から古今東西の諸思想からのさまざまな引用および推論を
繰り返しながら、巻末の結論部へと導かれていく。
「宇宙の基本構造は、壮大な無意識のレベルのネットワークであり、
生命を得て生まれてくる個体は、その大海の表面に発生した
小さな泡のようなものでしょう・・・・・宇宙は全体としてひとつの生命体です・・
・・・その基本は、無条件の愛であり、また仏性であり、宗教が神や仏と呼ぶ概念と
一致します。」
イギリスの詩人ブレイクの一節がよみがえる・・・「一粒の砂に宇宙をみる」