CTについての知識がほとんどない状態で購入しましたが、さながらカリスマ教師の講義を聴いているような感覚でどんどん読み進んでいきました。筆者の思考と知識が熱意とともに伝わる良書です。
内容は単なるケースレポートにとどまらず、解剖学的事項、エビデンスなどを駆使し診断を下す放射線科医の一連の思考プロセスが書かれています。要点と参考的事項が分けて書かれており、ある程度読みとばしながらでもエッセンスが得られる仕組みになっています。日夜激務に追われる研修医にもやさしい設計です。同じ筆者の腹部CT診断120ステップよりも平易な内容と感じましたので、先にこちらを読むことをおすすめします。
冒頭では、救急の場においてCT検査を遅らせることが“通”であるような風潮に対するアンチテーゼが述べられています。そして、この本を読み終えた時、各人がジンテーゼを得ることでしょう。