「恐竜の色が判明」という惹句にひかれてコンビニで購入。正直、内容は期待していなかったのであるが、予想に反して実に面白く、楽しめた。
前半は「恐竜研究史」ともいうべき内容だが、これが19世紀アメリカの西部劇時代の話で、実に人間臭くエキサイティングである。
そして後半は、「何が分かっていないのか」ということが明確に語られる。「ここまで分かった」のであれば「それのこと以上は分からない」という理屈ではあるのだが、「分かっていること」と「分かっていないこと」が本当に分かりやすく整理してあり、知的な爽快感に満ちている。
6500万年前、巨大隕石の衝突とそれに伴う気候変動により恐竜は絶滅した。しかし、我々の先祖である哺乳類は生き延びたし、ワニやカメなどの爬虫類も生き延びた。恐竜が絶滅した理由とそれ以外の生物が生き延びた理由は裏表であるはずである。「恐竜絶滅を説明するには、絶滅した動物と共に、絶滅しなかった動物たちに対してもなぜ絶滅しなかったかの説明がなされなくてはならない。」(本書)というのはまさに至言である。
筆者は恐竜絶滅の理由を恐竜という種独特の代謝システムが寒冷化した地球に適応できなかったのではないかと推定している。大いに説得的である。化石から証拠の得られにくいことではあるが、今後の研究に期待したい。