愛されて家に迎えられた子犬。室内犬として家族と過ごす楽しい日々。しかし、その家の第一子誕生と共に家族の愛情はその子に移ってしまい、家の外に出され、短い綱に繋がれろくに世話もされず……
無邪気で従順、優しい性格の犬の一人称視点で書かれていますが、時折、犬にしては賢すぎる視点で物事を語るので著者の顔がチラつきます。どんなにひどい扱いをされても、飼い主が、また自分に愛情を注いでくれる日を信じて健気に生きる犬の姿を描いており、「いかん! こんな場面で感動したら作者の思うツボだ!」と何度も自分に言い聞かせましたが、結局私の負けで、何度も読み返してしまいました。
商品説明に「実話をもとに」と書いてありますが、ほとんどが著者の創作で全く「実話」と呼べるレベルでは無いです。でも、きっと日本のあちこちにこんな犬がいるでしょうね。泣いてスッキリしておしまい、じゃなくて、この本はなんらかの形で、そういう犬を減らすことが出来る本だと思います。少しあざとい文章ですが、子供に読ませれば、動物を飼う責任を認識させることが出来るでしょう。