浜辺の石ころに惹かれます。きっと長い長い旅をして、彼らのひとつひとつは、角がとれて、まるくなって、皆すべっこいのに、似ている二つを見つけるのさえ難しい。なかでも特別ハンサムな彼。平べったくて、まんまるで、その上なんてったって顔がある。ちょっと呆けた、すてきな顔だ。石に彫られた目と口だけの顔は、動かないはずなのに、時によって場所によって、色んな表情を作る。笑ったり、泣いたり、一生懸命だったり、真面目だったり、ぼーっとしたり。最後のがいちばん多いかな。 石ころの彼が一生懸命なとき。それは頭がやっと出るくらいの流れの中で、ひがな一日「息つぎを覚えた日」。石は水の中では沈むもの・・ではないのです。顔を少し出して、クロールで泳ぐ人みたいに息つぎをする・・かもしれない。 「ここにいるよ。」 「どこにいるの?」 君が主役の写真集なのに、かくれんぼする。見失いそうになっても、探せば君は必ずそこにいる。石ころだけど、触れれば君はあたたかい。そんな気がするよ。