こぐまくんのとうさんは、ハーモニカの演奏家です。
くまの街のカーネギーホールで演奏している有名な演奏家です。
今年はそのとうさんから、自分で使うハーモニカをプレゼントされました。
こぐまくんはうれしくてしかたありません。
ところが、「これじゃ、おとなになったら、おとうさんみたいに、なれるかもしれないぞ」
と大人たちが発する何気ない誉め言葉に、
こぐまくんは、自分の将来を決め付けられたと感じたり、
比較されることにいたたまれなくなり、ハーモニカをおいてしまいます。
くまくんの葛藤は、胸にちくちく突き刺さります。
かあさんはこぐまくんを
「あなたがとてもじょうずなことを、わるくかんがえるのは、いけないことよ」
などと言葉巧みに諭し(かあさんはさすがお話を書く人)、
とうさんは「だれのなかにもおんがくがある(中略)きみのうたも、きみのものだ。」
とこれまた音楽家らしく、くまくんを励まします。
ラストも素敵です。
作者の母がお話を書き、父がナレーションと音楽を吹き込んだ
レコードアルバムから発想を得て書かれた、初めての絵本だそうです。
絵は『
しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)』
のガース・ウィリアムズさんです。