みなしごの赤ギツネはルーファス(赤毛)と名づけられ、親切なアナグマ一家に引き取られ、楽しく暮らしていましたが、ある時、わなにかかります。犯人はなんと、悪名高き大ギツネ、ルーファスのおじさんでした…… 。
『グレー・ラビット』シリーズで有名なアトリーの小さなお話。キツネは悪役にされやすいけれど、ルーファスは、賢いアナグマかあさんの愛情を受け、優しい子に成長していき、安心させられます。夜行性だから、「ぼく、きけんだいすき」と言って、夜遊びに出かけるやんちゃさもありますが。
また、他の短いお話からは、お風呂上がりには、香りのいいラベンダー水をかけてもらっていたなど、1950年代のイギリスの暮らしを知ることもできます。植物に詳しいアトリーさんらしい。
ウィグルズワースさんの挿絵も微笑ましく、石井桃子さんは、原文の昔風の懐かしさを残しつつも、わかりやすく訳してあり、楽しめます。