「必要が発明の母」とは、発明の本質を突いた言葉の一つであるが、ここで『必要』とはどういうものなのでしょうか。
現代は、ありとあらゆるものがそろっている時代です。こういう時代だからこそみずからアンテナを立てて『必要』に対して気づくことがますます大切なのだと、ひしひしと感じることが出来ます。
「絆創膏は、妻が料理で指を切りやすかったのを見かねて発明した」
「気の抜けた炭酸ジュースがまずいことに見かねて王冠型の栓の特許を取得したあと、2年後には王冠をはずす栓抜きの特許を取得した」
「ストローは、かつて天然のわらつくっていたが、パラフィンコーティングした紙をらせん状に巻いて作成する装置を発明し、安価で耐久性にすぐれたものができた」
本書を読むと、絆創膏や王冠型の栓といった生活のうえで身近なものから、棺桶にいたるまで、そのときそのときの切実なまでの必要性によって、どのようにして発明者の心に具体的な発明として焦点を結んだのか、が示されている。
本書はこうした発明の断片でつづられているが、そのなかから「光る何か」を見出せたなら、新たな発明の一歩になるかもしれません。そんな気持ちで読みたい本です。