オタクの集まる大学サークル、「現視研」の日常を描いた名作、『げんしけん』の続巻が、満を持して発売しました。実に4年ぶり。
今巻では笹原を主人公とした物語から脱し、9巻において部長となった荻上を主人公に据えて物語が始まります。
絵:
9巻までのげんしけんの絵が好きだった方には、文句なくお勧めです。独特の柔らかい絵はそのままに、今までのキャラクターも新キャラクターも含め、高水準の作画です。
シリアスシーン、ギャグシーンに合った雰囲気の絵を上手に使い分け、本当に「漫画表現」の上手な作者さんだなぁと改めて実感しました。余談ですが、照れの表情が大好きです。
キャラクター:
9巻までに出ていたキャラクターはもちろん、スー+新入部員3名が新たに現視研に加わり、一層賑やかなキャラクター勢となっています。
美人、オタク、元気っ子、そして外国人と、個性豊な新入部員ばかりで、その掛け合いがより印象的になっていると感じました。特に、『美人』に位置付けられる波戸ちゃんがかなり特殊な子で、ストーリーの中心を担っています。
個人的には元気っ子の吉住さんが人懐っこくて好きになりましたが、どのキャラクターも非常に魅力的です。この作品の特徴として、誰も彼も妙に「人間臭い」というか、内面に色々と抱えるところが有り、それもまた魅力です。また、9巻までに登場していた笹原や斑目などのキャラクターもみんな登場します。
お話:
相変わらず、現視研の日常を描いています。笹原たちの代と違い、部員の大半が女性のため、話題の方向はソッチの方向に行きがちですが、相変わらずのノリと個性的なキャラクターの魅力で、前巻同様に楽しめる内容となっています。詳しくはネタバレになるので言及を避けますが、新キャラの抱える問題と、既存キャラクターの絡み合いが非常に面白おかしく描かれており、次の巻が待ち遠しくなります。
今巻は新キャラクター登場の巻ということもあって、それぞれの個性を見せつける巻です。ここから先はそれぞれのキャラクターに焦点があてられて描かれていくと思いますので、今の内に個性の入り乱れたゴチャゴチャ感を楽しんでおくのも良いと思います。
総評:
まさかこの巻から買い出す方も少ないかと思いますが、9巻までが既読である事が前提の内容となっていますので、二代目の壱と言えど、注意が必要です。
しかし、その点さえ問題なければ……9巻までを読んでおり、その世界観をもっと楽しみたいと思う読者であるならば、文句無しにお勧めできる一冊です。新たなメンバーの織り成す物語が、楽しみで仕方がなくなると思います。