松本清張の作品で、人間あるいは読者の心の奥底(特に人には知られたくない暗い心理)をえぐるように描かれている作品は非常に読み応えがあるものが多い。そして、自分の欲望のままにいきているような人物が主人公であればより面白い作品となる。
彼の作品が既に舞台設定が古くなっているにもかかわらず、今なおドラマ化されるのはこれが理由であろう。人の心の奥底は時代が違っても変わらないものなのである。
本作もその条件を満たしている。自分勝手な人物ばかりである。
この作品は推理小説ではないので、ドラマを見終わる前に読んでもまったく問題ないと思う。かえって、時代や設定の違いを比べることができていいかもしれないくらいである。
さて、ドラマはどう展開していくのだろうか。
この作品が楽しめれば『悪いやつら』も読むことをおすすめする。
徹底して救いようのない登場人物ばかりである