この本の売りは、SQLを打ち込む前にまず、SQLで実現したいことを紙に書き出す過程で整理していくというプロならおそらくもっとしっかりやることを、アマチュアに教えてくれる点にあると思う。最初の10ページくらいはそのような形式で紙面を割きながら、丁寧にやりたいことの書き出しからSQLができるまでを解説しているが、それ以降は途中のプロセスは簡略に記述されてしまい、どちらかというとSQLテクニックの基本から応用までの紹介になってしまっている。また、英作文が最低限のボキャブラリーや文法知識がないとできないのに似ていて、最低限のSQLの知識がないと、筆者の進める設計プロセス(逆算)はできないと思う。本の主旨からすれば、テクニックの紹介は数を抑えて、デザインプロセス(すなわち逆算)を読者に経験させる構成を続けた方がよかったと思う。ただ、サンプルの中には、SQLで数学関数を使うものや為替のテクニカル分析計算などがあり、素人の私には、こういうこともSQLでできるのかいう発見があり、後半がテクニック集と化してしまったことも許せる。今までは、複雑な計算はExcelにやらせAccessは蓄積と簡単な問合せによる取り出しに役割分担してきたが、Accessにやらせることを増やすアイディアをもらえた。(この本自体はSQLの解説はMySQLベースで、Accessには一切触れていないが)
デザインプロセスのドリルとユニークなテクニック集(それもAccessのSQLもカバーする)に分けて出せば、私ならもっと「買い」だと思う。