高校入学前の春休み。秋津島榛奈は近くの浜辺にオカリナの練習をしに行き、ウクレレを持った少年、黒田剛典に出会う。さわやかな外見ながら、それに似合わないマイナーな楽器を持った彼に共感を抱いた彼女は、同じ高校に進学すると知り、高校での再会を楽しみにしていた。
それから2週間ほどたったある日、オカリナの練習に来た榛奈は、高波にのまれてしまう。あわやの所で彼女を助けたのは、額に青い宝石をつけた、英語をしゃべるシャチだった。次の日は日本語をしゃべるようになっていたシャチに請われて、グラボラスという名前をつけた榛奈だったが、それが混乱と恐怖の始まりだった。
さわやかにはじまりながら、バッサリと切る様に落とす展開。共通体験をほとんど持たない生物同士のコンタクトであるから、猜疑と不信は当然の様にあるはずなんだけれど、主人公である榛奈が警戒心の低い人格なので、それに合わせて読んでいると、かなりクるものがある。
途中までじっくりと話を積み上げておいて、最後はパタパタと折りたたんでしまった感があるので、終わり方はさわやかに見えるんだけれど、取りこぼしてそのままの問題は結構大きいんじゃないかと思う。