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くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)
 
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くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4) [文庫]

エリザベス・ムーン , 小尾 芙佐
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

自閉症が治療可能になった近未来。
自閉症者最後の世代であるルウは、製薬会社の仕事とフェンシングの趣味をもち、困難はありつつも自分なりに充実した日々を送っていた……ある日上司から、新しい治療法の実験台になることを迫られるまでは。
“光の前にはいつも闇がある。だから暗闇のほうが光よりも速く進むはず” そう問いかける自閉症者ルウのこまやかな感性で語られる、感動の“21世紀版『アルジャーノンに花束を』”。

内容(「BOOK」データベースより)

自閉症が治療可能になった近未来。自閉症者最後の世代であるルウは、製薬会社の仕事とフェンシングの趣味をもち、困難はありつつも自分なりに充実した日々を送っていた…ある日上司から、新しい治療法の実験台になることを迫られるまでは。“光の前にはいつも闇がある。だから暗闇のほうが光よりも速く進むはず”そう問いかける自閉症者ルウのこまやかな感性で語られる、感動の“21世紀版『アルジャーノンに花束を』”。ネビュラ賞受賞作。

登録情報

  • 文庫: 611ページ
  • 出版社: 早川書房 (2008/12/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4150116938
  • ISBN-13: 978-4150116934
  • 発売日: 2008/12/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 125,968位 (本のベストセラーを見る)
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5つ星のうち 5.0 自分と訣別して、生き直す自分は一体誰なのか?, 2005/3/6
 自閉症者ルウ(35歳、男性)の視点で書かれた物語。
 時代は近未来に設定されているが、現代とそう変わらない様子の世の中。ただ違うのは、自閉症が幼児期に治療すれば完治するものになっているということが、話の核になっている。ルウはその治療法が確立される前の最後の世代の一人なのだ。
 親兄弟は既にいず、天涯孤独の身の上の彼に難題が降りかかる。

 自閉症者といっても、ルウは日常生活のレベルでは、現代よりも進んだ治療の結果、製薬会社に勤め応用数学者として自己の才能を発揮できる仕事をこなしている。
 フェンシングに通い、密かに思いを寄せる女性もいる。
 突然、ルウにもたらされたのは新上司による、自閉症の新薬開発のための人体実験にルウ達自閉症者の部署の解雇を切り札にした参加の要請だった。
 ルウは悩み、悩む。
 健常者であるはずの知人の一人から、稚拙で野蛮な感情を剥き出しにされ、非常に差別的な攻撃によって身の危険にさらされるという事件も重なって、ルウは自分が健常者であれば起こり得ないはずのことがあることに気づく。

 文体は、決まった好みと手順を踏んで行わないことには日常の収拾がつかなくなることを経験的に学んできたルウの、聞く見る考える言葉にする等々の、読み手あるいは健常者に向けての翻訳めいた言い回しが独特だ。
 こんなに細かに分析し、なぞり、発語に至る手順を踏んでいるのかと、驚愕した。

 光の果てる処には既に闇が居座っている。だから、暗闇の速さは光を凌駕し得ているはずだと考えるルウ。
 光の届かない処。それは私達の身の回りに、あるいは身の内に数限りなく存在する。
 妬み・嫉み・蔑み・卑屈・嘲り……それら暗い情念はもとより、理解を前提としない驕りや高慢な態度。

 人としてどう在れば、他者と共存できるのか。健常者とは一体どういう状態を言うのか?震撼させられた。
 ルウの選択をノーマル達は、真に理解し得たのだろうか?私の心は、まだ揺れている。

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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 ここちよい小説です, 2005/3/5
 自閉症の治療が実現している近未来が舞台の小説。
 治療法が確立される前に生まれた自閉症のルーは、成人自閉症者の治療を試みるよう職場から半ば強制されるのですが、彼は数学に天才的な才能を持ち、周りの人々からも愛されている。はたして、治療を受けることが幸せなのか、そうでないのか。
 自閉症者の視点で語られるこの作品を読んでいると、ノーマルだと思っている自分自身も、他者と同じパターンで思考しているのか考えてしまいます。
 主人公の思考パターンは素直で、疑問は疑問、まちがいはまちがいと考え、優柔不断な健常者の言動を不思議に思いながらもうまく適応して社会の一員として生活しており、愚直なまでの素直さには温かい感動を呼び起こされます。
 なにに引きつけられるのかよく分からないのですが、この本が持つ不思議な温かさと、読後の寂寥感が印象に残り静かな感動に浸ることができました。
 
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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 前に進む, 2004/11/5
自閉症の青年ルゥは、製薬会社で働いている。
彼が所属するチームのメンバーは自閉症者で、その能力を生かした特殊な仕事を受け持っている。会社は彼らの能力を十分に発揮してもらうためにジムなどを設置していて、メンバーは仕事の合間に音楽を聴いたり体を動かしたりしている。
ルゥは真面目に働き、きちんとした生活をしている。けれども、周りの人間(「ノーマル」と彼が呼んでいるところの人々)は、時にルゥたち自閉症者が特別扱いされていて、そのために自分達が不利益をこうむっているなどと言い立てる。公共の場所で人目に立たぬよう気をつけて行動し、「ノーマル」達のやり方に出来るだけ合わせて暮らしている彼らを、まだ足りない、もっと自分達のやり方に合わせろ、とさらに追い詰めようとする。
そんな状況に置かれている自閉症者たちのもとに、実験段階の治療方法の話が舞い込む。会社側がこの治療を受けて「ノーマル」になれ、さもなくばクビだ、と圧力をかけてくるのだが、自閉症者としての自分こそが自分なのであり、「ノーマル」になった自分はもはや自分ではないのではないか、と彼らは悩み苦しむ。
最後に主人公ルゥが下した決断には驚き、その後の展開にはさらに驚きかつ感動させられる。これは自閉症者の物語の形をとっていて、実は我々全てにあてはまる物語だ。
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