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くっすん大黒 (文春文庫)
 
 

くっすん大黒 (文春文庫) [文庫]

町田 康
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (48件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第19回(1997年) 野間文芸新人賞受賞
第7回(1997年) Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

賞賛と悪罵を浴びた戦慄のデビュー作
大黒様を捨てようとして始まる日常の中の異次元世界。日本文学史に衝撃的に登場した芥川賞作家の処女小説。「河原のアパラ」を併載

登録情報

  • 文庫: 181ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2002/05)
  • ISBN-10: 416765301X
  • ISBN-13: 978-4167653019
  • 発売日: 2002/05
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (48件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yjisan
形式:文庫
 主人公の楠木正行(この忠君愛国な名前が皮肉である)は3年前、ふと働くのが嫌になってミュージシャンを辞めた。以来、酒浸りの毎日を送っていたら、ついに妻の夏子が家を出ていってしまった。散らかった部屋に転がる「五寸ばかりの金属製の大黒様」は珍妙な面つきと言い「自立できない」点といい、自分そっくりで全く不愉快。自堕落な生活にピリオドを打つべく、ついに今日こそはこの大黒を捨てようと決意した・・・ユーモラスな語り口と奇妙な形で噴出する鬱勃たる感情が話題を呼び、日本近代文学の伝統であった私小説を現代に再生させたと絶賛された町田康の処女作「くっすん大黒」ほか1篇を収録。

 一見デタラメなようでいてリズミカルな地の文にそこはかとなく漂う詩情、上方落語や漫才を彷彿とさせるキビキビとした会話の心地良さは、絶品である。八方破れの主人公がどこかシャイな点は高橋源一郎を、登場する中年女性が揃いも揃って横暴で自己中心的でヒステリックな点は筒井康隆を思い起こさせる。

 表題作主人公の楠木は大黒の捨て方など些末なことには異様なほどに粘着するくせに、日常生活を無難に送るための世俗的な知恵は決定的に欠落している。その意味で彼は落伍者、生活破綻者、社会不適応者であることは疑いないのだが、彼の社会に対する醒めた視線は存外に的確で、その諷刺精神は意外に真っ当なものだったりする。はっきり言って、彼が行く先々で出会う俗物たちの方が明らかに人間として終わっているのである。こんな奴らに媚びてまで生きたくない、と思っている彼はあえて社会的成功に背を向けていると言えよう。この社会に対して意味のあることを決して行うまいという、徹底的な無為・不毛を心に固く誓っているかのようである。
 
 つまり楠木を突き動かしているのは凄まじいまでの反骨精神である。クールなパンクバンドをやってファンから拍手喝采を浴びるなんてのは、本当の「パンク」ではない、という認識がそこにはある。「愚にもつかぬたわごとをレコードに吹き込んだり、命じられるままにカメラの前で右往左往したり飛んだり跳ねたりという三年前までの自分の仕事」は真の意味での「反逆」ではない、と。

 しかし町田康は「私小説」の形式を導入することで、話者・町田康と主人公・楠木正行との距離を巧妙に測定し、楠木の鬱屈と反抗に満ちた自意識過剰な語りをも笑いの対象にしている。これは言うまでもなく町田康自身のナルシシズムを相対化する作業に他ならない。この辺り、やはりタダモノではない。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
町田康の小説に登場する主人公は、基本的にクソマジメであることが多い。

だけど、おそらくその反動で、冗談みたいな価値判断基準(パンク)に従っていたりする。
もちろん、クソマジメに。

そんなクソマジメな与太者が、社会に見捨てられるギリギリのところで、なんとか生きてゆこうとする物語。
それが、この「くっすん大黒」なのだ。
当面の生活費を稼ぐため主人公は、たったひとりの友人をともなって、あやしげなクエストに立ち向かってゆく。
しかしそこに立ちふさがるのは、ちゃらんぽらんなる権威主義者たちであった。
はたして彼らは無事に帰ってこれるのか・・・

帰ってきたところで成長は望めないし、帰ってこられなくても笑い飛ばしちゃうけどね。
なぜなら、パンクだから。

そんな、絶望的ビルドゥングス・ロマンなのであります。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
娯楽小説 2007/6/13
形式:文庫
まず初めに、この小説を読んでも年収は10倍にはならないし、

人生がうまくいくようなエッセンスは恐らく一つもありません。

しかし、とにかく面白い。

駄目人間が、自分より輪を掛けて駄目な人達と関わり合う事によって、

あれ、結局何も変わってないよねってお話が二つ。

手垢がついていないからこそ滲み出る、純粋な「言葉」による面白さ。

娯楽小説として、これ程に優れた作品もそうそうないのでは。

「うるせぇ、ちょっと、このザッパを止めろ」

"ルー・リードみたいなおばはん"

などの音楽ネタも、個人的にはツボでした。ははは。
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信用できる言語感覚
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投稿日: 4か月前 投稿者: 歴
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投稿日: 9か月前 投稿者: keroji
ブンガクとパンクの対立/共犯関係について。
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投稿日: 15か月前 投稿者: イッパツマン
面白〜い!
実家にあったので、パラパラ読んでみたのですが、1ページ目から(面白い!)と思わされました。... 続きを読む
投稿日: 16か月前 投稿者: (*^ワ^*)
初めての町田康作品
町田康作品で初めて読んだのが本作。
くせになる文体、ストーリーともにはまってしまいました。
以来、ファンの一人です。
投稿日: 18か月前 投稿者: ゆーさ
町田康を読む。読んでこます。
... 続きを読む
投稿日: 20か月前 投稿者: みやさま
文章がおもしろい!!
このレビューの高さと友人からのオススメから、期待して読んでみましたが、そこまで面白く感じませんでした。... 続きを読む
投稿日: 23か月前 投稿者: ユカリンゴー
あなたはどっち
街中でたまにいる「この人なにやってる人なんだ?どうやって生きてんだろう・・・」と想像もつかない人物をたまに見かけますよね?!ふらふら歩きながら独り言を言っていたり... 続きを読む
投稿日: 23か月前 投稿者: ビン
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投稿日: 2009/1/19 投稿者: 鞠
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